はじめに
認知症介護実践者研修の自施設実習の取り組み!センター方式を利用した最終提出用レポート!認知症と診断されても、記憶障害、認知障害等の症状により、本人は受け入れることができず、家族からの協力を得ることも少ない。
当施設では、認知度が中度から重度の利用者が多い。施設に入所される経緯が明らかでない方も多い。
Aさん(アルツハイマー型認知症)は、今のところ身体的には問題なく足腰もしっかりしている。
夫の死後2から3年はシルバーデイサービスに行っていた。農家一筋で趣味が野菜作り、花作りであった。
三男と二人暮らしであったが、日中独居になる事が多く、物忘れ、物の認識ができず火の不始末、自宅からの行方不明等あり、施設入所となる。
入所時より、フロアー内での徘徊があり、一週間経った頃では、シーツを剥がし、床拭き(素手)、居室で寝ている方を起こす、居室で排便、排尿があり常にじっとしている事がない。
入所までの日常生活の事を話しかけるも無表情であり帰宅願望もみられない。
家族との話し合う機会がないまま今日にいたる。
日々の落ち着いた生活、本人の望む生活ができるように支援した。
情報収集にはセンター方式のシートの利用
A-1 私の基本情報シートA-4 基本情報(私の支援マップ)
B-1 暮らしの情報(私の家族シート)
B-2 暮らし情報(私の生活情報)
B-3 暮らし情報(私の暮らし方シート)
C-1-2 心身の情報(私の姿と気持ちシート)
D-1 焦点情報(私が出来る事、出来ない事)
D-2 焦点(私がわかること、わからないこと)
このセンター方式のシートで得た情報を基にAさんの日課の作成、全職員に周知、ケアの統一を図った。

ちなみに認知症介護実践者研修の自施設実習ではセンター方式のシートを使用することは必須です!
具体的な取り組み(認知症ケア)
①毎食前後のテーブル拭き、下膳の手伝い。②一日一回花壇の草むしり、花の手入れ。
③日中のトイレ誘導を2回から3回に増やしトイレの場所を覚えてもらう。
④シーツを剥がしている時には、職員と一緒にかけなおす。
⑤グループケア、集団、レクリエーション等の参加。
まとめ
結果、今までは、声かけをしないとテーブルを拭くことが無かったが、今では「テーブル拭くからタオルを二枚頂戴」「綺麗にせなあかんわ」と自ら職員に言って丁寧にテーブルを拭いている。花壇に行って草むしりをしていても「これは○○の花や。草と違うから抜いたらあかん」「この草は根っこが深いし、横に伸びてくる」等、よく話しかけてくる。
このように土に触れていると行動も積極的であり、表情は明るく笑顔で溌剌としている。
排泄面では、トイレの場所を覚えてきたのか、夜間に時々トイレに行っている。(パット内失禁はある)
シーツは、職員と話しながら掛けていたが、剥がすことから整える事へと変わっていった。
グループケア等へは、音楽が流れるといつの間にか参加され、体操、踊りと体を動かす事が好きなのか一生懸命であり、歌にも参加されるようになる。
その日の業務の都合で花壇に行くことができない日には、居室で一人でシーツを触っている。
そんな時には、食事の声かけをしても怒って食べない、聞こえていても知らないふりをする等の行為がみられる。
1~2時間ほど様子を見ていると、いつもと同じで「何か手伝いましょうか」と言ってくる。
職員の本人への説明不足により、不安、不穏に陥る場合があることを新人を含め職員に周知。
Aさんの記憶障害は、短期記憶で同じことを何度も繰り返し体験することで記憶されてきていると思われる。
最初は、役割りを決めて行っていたが、今では表情の変化、行動の変化でケアを行っている。その後、落ち着いてきたのか、夜間も良く休まれるようになった。これらは、本人が望んでいたことではないかと感じた。
私たちは、その人の周辺症状の減少に努める事がその人の落ち着ける事、居場所のある生活に繋がっていると錯覚していた部分があった。
認知症利用者には役割りを与えるのではなく、どのように関わってほしいのか、今何を望んでいるのか、本人が確かな事が伝えられないでいることを考えるべきである。
今回は、認知症介護実践者研修の自施設研修での取り組みで1人の利用者に絞ったが、今後は他の利用者にも本人が望む生活を叶えることは難しいが、本人の安心できる場所、落ち着いた生活ができる環境作りをしていく必要があると思いました。
また、私の施設ではセンター方式のシートを今まで利用していませんでしたが、周りの職員より「わかりやすい」「利用者を知れる」等の意見が数多くあったので、今後もモニタリングなどで取り入れようと思います!
この記事の内容は、実際に認知症介護実践者研修の自施設実習の取り組みとして、実際に提出したレポートとなっております。
認知症介護実践者研修での自施設実習では、センター方式のシートを使用する事が必須です。
ぜひ参考にしてください!