介護福祉士

ユマニチュードを取り入れた認知症ケアの実践例!4つの手法


介護施設ではスピードが重要

認知症の利用者の介護で困難なことの一つは、指示が入らずスムーズにケアが進まないということではないでしょうか。

オムツを交換したいのに手が出る、足が出るなどの暴力行為があり、なかなかケアが進まない、汚れた服を交換したいのになかなか指示が入らず更衣できない等、思うようにケアができず、困っている方もいるのではないかと思います。

介護施設で大勢の利用者の介護をする中では、スピードが求められ、ついつい無言でケアに入ってしまうことも多々あるでしょう。

しかし、スピードが求められる場面こそ、ケアに対して事細かな実況中継が楽で早い介護の要となることを私の体験をもとにお伝えしたいと思います。

ユマニチュードとの出会い

有料老人ホームに勤務していた頃、夜間便失禁でオムツ、衣類を汚す利用者がいました。

夜勤中は、一人で何人ものオムツ交換をしなければならないのに、介助に入ると必ずと言っていいほど、手や足の出る暴力行為のある利用者なので、なかなかケアが進まないことが悩みでした。

ところが、ある時、テレビで「ユマニチュード」という認知症ケアがあることを知り、それを踏まえ、ケアに入ったところ、今までにないほど楽に短時間でケアすることができたのです。

ユマニチュード.jpg

ユマニチュードとは

ユマニチュードとは、フランスで生まれた認知症ケアの手法です。

見る、話す、触れる、立つというコミュニケーションの4つの柱を基本とし、150を超える技術からなります。

4つの手法を組み合わせて行うことがユマニチュードの基本です。

<見つめる>
認知症の方は視野が狭くなっているため、目線をその方に合わせ、出来るだけ近く、長く見つめる。

<話しかける>
ケアをする際に、心地よい言葉で優しく話しかけ続ける。

<触れる>
立ち上がらせたり、体を動かしたりする時に、ついつい手首をつかんでしまいがちであるが、下から支えるように腕を取る。

<立つことを支援する>
「できるだけ立つことで人の尊厳を自覚する」と、ユマニチュードの考案者の一人、イヴ・ジネスト氏は語る。

ユマニチュードの実践

これを私なりに解釈し、次のように介助に入ることを実践しました。

①介助に入ることを本人の視覚に入る位置で、分かりやすい声の大きさ、スピードで伝える

②一つ一つの動作を言葉にしてから介助する(介助を実況中継する)

このように介助に入ったところ、今まで抵抗され、なかなかスムーズに進まなかったオムツ交換や更衣がとてもスムーズに進み、さらには腰を浮かせたり、側臥位になったりなど今までほとんどなかった協力動作まで見られるようになりました。

また、別の利用者でも実践したところ、抵抗はないものの全介助でケアをしなければならない方の協力動作を引き出したり(介護をしたことのある方なら分かると思いますが、ちょっとした協力動作があることでかなり介助が楽になります)、指示がうまく入らず、混乱してしまう方の動作をスムーズに引き出し、本人の力と少しの介助でケアが進んだりと楽に早くケアができ、目から鱗の連続でした。

そして、自分自身にも変化があり、これまでスムーズに介助が進まず、イライラすることもありましたが、丁寧な声かけを心がけることで、相手の動作を引き出したり、楽な介護ができるようになり、心に余裕が生まれイライラすることも減りました。

ユマニチュードは当たり前のケア

これらは、文章にしてしまえば当たり前のことであるし、実践しているという方も多いと思います。

私自身、ユマニチュードというケアを知り、そんなの当たり前じゃん、介助の基本だと思いました。

しかし、介護経験が長くなるにつれ、ついつい初心を忘れ、スピードを意識することが多くなっていた私には、基本に立ち返ることのできた良いきっかけになりました。

スピードを意識するが故に何も言わずに体を触ったり、介助をしたり、無意識のうちについつい自分本位の介助になっていたと思います。

自分に置き換えてみても、例えば、美容院で目隠しをされ、シャンプーをしてもらう際、周りが見えない状況で、いきなりシャワーをかけられたり、髪を洗われたり、ある程度は分かっているもののいきなりの動作には驚くことがあります。

これは、認知症の方の不安な気持ちに似ているのではないかと思います。

周りの状況がよく分からなくなっている認知症の方に対し、いきなりの動作は驚かせることもあるだろうし、それが暴力行為につながるのも当前です。

認知症の方の行動には意味があると思います。

ケアがスムーズに進まないのは、相手が悪いのではなく、自分自身のケアの仕方が悪いということもあるのではないでしょうか。

ユマニチュードの実践は「急がば回れ」ということわざがぴったり当てはまる認知症ケアです。

スムーズなケアをしたい時にこそ、丁寧な声かけや相手を尊重した介助を行うことで抵抗なく、協力動作を引き出し、楽で早い介護ができるのではないでしょうか。

また、日々のこうした積み重ねが相手との信頼関係を築き、いつでもスムーズなケアの実践に繋がるのではないでしょうか。

ぜひ、ユマニチュードを意識したケアを実践していただきたいと思います。

こちらのユマニチュードについての記事も確認してください。

同じような記事にはなりますが、少し視点を変えています。

認知症ケア「ユマニチュード」の基本的な考え方と実践例



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