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高齢者を介護する施設の場合、ご利用者様を大切にすることが仕事の大命題ですが、それを実現させるために、もっとも肝心なことが、スタッフのチームワークです。
目次
認知症高齢者の好み
日常的に介護を必要としている場合や認知症である高齢者の場合は、スタッフの好みを分かりやすく表に出されるご利用者様がいらっしゃいます。
一例ですが、ご高齢の女性の場合は、若くて見た目の良い男性に介助をされることを喜ぶ傾向があります。
また、同性の介助を好まれ、女性でないと不安を感じられるご高齢の女性もおられます。
心理面や育った時代、環境を考えると、これはとても自然なことでもあります。
こういったご利用者様の直球な態度と、スタッフは常に向かい合うことになりますが、プロフェッショナルに徹した場合、めげたり、しょげたりがいただけないのは当然です。
チームワークが生み出す笑顔
このような時こそ、スタッフ全体のチームワークが、ご利用者様の真の笑顔を生み出します。
スタッフのチームワークが、過酷な介護の現場の仕事の負担を軽減させると言っても過言ではありません。
では、スタッフのチームワークとはどの様なものかを具体的に考えてみましょう。
チームワークの具体例
例えば、スタッフのある人が、一人のご利用者様からとても好かれているという場合です。
「あの人を呼んで」
「あの人にお願いしたい」
「あの人は上手なのに」
などと繰り返し言われてしまっては、他のスタッフ、特に新人スタッフは、介助がしにくいものです。
そこで、好かれている当人のスタッフ自身だけができる工夫があります。
じゃっかん、つっけんどんに、そのご利用者様に接するように努めることです。
つっけんどんとは、やや冷淡にということです。
冷たく接するということではありません。
根底にプロフェッショナルとしての優しさをしっかりと持ちながら、他のスタッフの良い所をそのご利用者様に伝える。
あるいは、自分が苦手だった事を他のスタッフが教えてくれたなどと、そのご利用者様の前で喋り、聞かせます。
お気に入りのスタッフの言うことですから、そのご利用者様は聞いていない風でも、胸の内では素直に「ふんふん」「なるほど」「そうなのか」と聞いているものです。
認知症と向き合う
認知症を患っているからと諦めないでください。
繰り返し行う事により、長期記憶になる可能性は秘めています。
このような取り組みは、自分以外の他のスタッフの為ばかりではありません。
当のご利用者様にとって、実はプラスに働くことになるのです。
人は、感情の生き物です。
自分では介護のプロに徹しているつもりでも、自分以外の誰かが、あからさまに誰かに好かれているという事実は、おもしろくはありません。
このような、人のナイーブな面を大人ぶって認めないことは、様々なやりにくさを仕事の現場に持ち込んでしまうのです。
介護の仕事は力仕事
日本の介護の仕事は力仕事です。
そのため、現場には常に若い力と腕力が必要とされています。
同時に、慢性的な人出不足ですから、常に新人スタッフの登用が期待されています。
もちろん、性別を問わずベテランスタッフの力や経験、頭脳を必要としない介護の現場はあり得ません。
年齢が若いということは、どれだけ張り切っても、机上で十分学んだつもりであっても、経験というものが不足しているということです。
また、年齢が若かったために思い及ばなかったという職場での苦い経験は、おそらく誰しもが身を持って一度ならず体験しているとことでしょう。
チームワークというものは、ご利用者様が、どのスタッフからも同じように良い介助サービスを受けることができる、という結果に繋がるのです。
ケアの統一が重要
ケアの統一は、介護の基本です。
それもチームワーク無しでは実現できません。
自分一人が好かれることは、年が若ければ若いほど、心地よく感じられるかもしれません。
しかし、もっと長期的なスパンで冷静に思いを巡らせてみると、全てのスタッフからご利用者様が心地の良い介助を受けること以上に、プロフェッショナルな介護スタッフとしての喜びはないはずです。
このチームワークという言葉ですが、この他にも実に様々な場面で力を発揮します。
介護の現場でも、他の職場と同じようにスタッフ間に上司、部下、先輩、後輩が存在します。
経験年数や年齢、実績や異動など、組織である以上、役職や立場があることは日々の業務全体をうまく回していくために仕方のないことです。
人の心を扱う仕事
しかしながら、介護が究極のサービス業だといわれるゆえんは、人の心を扱う仕事だからです。
誰しも自力でしたいことは、何でしょうか。
答えは人それぞれでしょうが、自分のお尻を自分で拭うことも1つでしょう。
それを代行するのが介護です。
「させていただく」
という謙虚な気持ちをどこまで持てるかに、サービスの質は掛かっているのです。
組織でありながら、上司が部下を選り好みする、あるスタッフにはミーティングや仕事後の飲み会や懇親会にわざと声を掛けない。
こういう事を組織の中で行っていると、のけ者にされた介護スタッフのさびしい気持ちや「自分のいないところで、皆は何を話しているのかな」という、みじめな思いは最終的に誰に向かうことになるでしょうか。
それは、言葉が喋れず一番の弱さを持った、ご利用者様だと心得ましょう。
スタッフのストレスが不適切ケアや虐待に繋がる事も多々あります。
難しい話になってきましたが、介護職を目指した時に何を考えたでしょうか。
「ご利用者様の役にたちたい」
という美辞麗句を心に抱きましょうというのではないのです。
きっと、介護職を目指そうと考えたとき「大変な仕事だろうな」と感じたことと思うのです。
それで、もう十分なのです。
色々と説明して長くなりましたが、大変である介護の仕事をチームワークを駆使して良いものにできればと思います。
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