身体拘束廃止の成功事例!ミトンを外しました!認知症ケア

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身体拘束とは

今回は、身体拘束廃止の活動が成功した事例を紹介します。

介護従事者は、身体拘束廃止に向けて、日々試行錯誤を繰り返しています。

身体拘束とは、簡単に言えばその方の四肢の動き、体の動きを抑制することです。

拘束をしなければ命の危険がある場合、また身体拘束以外の方法が見つからない場合、身体拘束をせざるを得ない場合がありますが、身体拘束をすることにより、行動を制限・抑制するわけですから、身体機能の低下がリスクとして挙げられます。

今回は、身体拘束についての説明は簡潔に行いました。

詳しくは「厚生労働省発行の身体拘束ゼロの手引き」を参考にしてください。

身体拘束での対応

私の働く施設でも、数名の利用者を身体拘束で対応しています。

胃瘻チューブの自己抜去を繰り返している利用者には、抜去をしないようミトンを着用しています。

歩行できないにも関わらず、認知機能の低下により自分が歩けないことを理解できず、何度も自分で歩き出そうとし転倒を繰り返し、何度か骨折にまで至っている利用者には、ベッドの4点柵や車椅子乗車時の介護用テーブルにて対応しております。

「致し方ない」と思っていても、やはり行動を抑制される姿はご家族からすれば、見ていて胸が苦しくなるものです。

以前、転倒による骨折や怪我を繰り返している利用者に介護用テーブルでの身体拘束を行っておりました。

ご家族は、頭では分かっていても心がついていかないようで、面会に来ると涙を流す姿も見られました。

身体拘束は、ほとんどが認知機能の低下がある方にのみ施行されます。

危険であることを説明しても理解されないからです。

ですので、身体の抑制のことは考えても、その方自身が、苦しい、嫌だ、悲しい、などの感情に関してはあまり目がいかなかったのは事実です。

ですが、ご家族の姿をみていくうちに身体拘束は、身体だけでなく、ご本人の気持ちまで蝕んでしまうものなのだと考える様になりました。

やはり、どんな場合であっても「身体拘束は廃止しなければならない」そう思い活動を始めました。

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身体拘束廃止の成功事例

それでは、1つの事例をあげさせていただきます。

その方は胃瘻の方で、右拘縮がありましたが、左手で何度か自己抜去の経験があります。

当施設に入所されるまで、入院中もずっとミトンの着用をしておりました。

ミトンの着用が長いこともあり、当施設に入所した時点でミトンの着用は当たり前かの様に施行されました。

実際、入浴の際にミトンを外すとまず腹部に手がいきます。

危ないことを説明しても、理解している様子は見られませんでした。その方は発語がない方でした。

入所して少しした頃です。その方にはご主人がよく面会にいらっしゃり、おもむろにセンスを右手に扇子を持たせていたのです。

話を聞かせていただいたところ、この入所者様は若い頃に日本舞踊を趣味でやっていたとのことでした。

音楽を流すと目を泳がせて、発語はありませんが、普段の雰囲気と違うことがすぐに分かりました。

何を感じているか、どんな気持ちなのか、具体的には、本当のところはわかりません。

しかし、確実に「嬉しいんだろうなぁ」と感じ取ることができました。

そこで、ミトンを外し、左側に扇子を持たせてみたところ、なめらかに扇子を仰ぎ出したのです。

その時、私たちは「こんなに綺麗に踊れるのに、私たちは何も試さず先入観だけでこの方の自由を奪っていたんだなぁ」と、後悔と申し訳なさに胸が痛くなりました。

発語がなくとも、認知機能の低下があっても、気持ちは失っていないことを忘れてはいけないと再確認した瞬間でした。

それから、音楽をかけて、扇子を持たせてみると、疲れるまでユラユラと仰ぎ、一眠りする、という流れを繰り返すようになり、ミトンを外すことができるようになりました。

ご主人は、本当に喜んでいました。

介護をさせていただく上で、これ以上にないやりがいや幸せな瞬間を感じた出来事でした。

本当に重要な事

身体拘束を廃止する上で重要なことといえば、技術や知識、そして、人手やチームワークなどがまず思い浮かびます。

ですが、今回この事例を通して感じたのは、その人を受け入れ、その人の生い立ちを知ること、その人自身を見るということでした。

認知症でも、感情は失われていないことを忘れてはいけないと感じました。

その人の身体機能や見たまんまの姿だけで判断すると、認知症ケアの仕方にも制限がかかります。

しかし、その人の生い立ちや家族を知ることで、認知症ケア自体の視野が思わぬ方向にまで広がっていくものです。

施設や病院でしか生活することができなくなったとしても、人としての尊厳は守らなければならないのです。

冒頭でも言いました通り、現在でも身体拘束を施行せざるを得ない方が数名おります。

ですが、日々その方とのコミュニケーションを通して、どうすれば拘束の解除に繋げられるか職員一同話し合っています。

その方だけでなく、その方のご家族にとっても、最期の時まで暖かな時間を過ごせるように認知症ケアをさせていただくことが、介護従事者である私の目標です。

そして、身体拘束の解除は1人や2人だけの想いでは叶いません。

チームで団結して、1つの目標に向かって取り組んでいくことこそが、身体拘束の廃止につながっていくと思います。

近年、虐待などでしか注目がされなくなっている福祉施設ですが、いつの日か老いても施設へ入所したいと安心できるような話で溢れるよう少しずつ進歩して行って欲しいと、願います。

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身体拘束廃止の成功事例!ミトンを外しました!認知症ケア” に対して1件のコメントがあります。

  1. 高野功一 より:

    itoさんの記事はいつも拝見しています。身体拘束撤廃に介護士のリーダーとして活躍されているのが素晴らしいと思います。当院は精神科病院なので、会議でも如何に身体拘束解除するかが議論されます。私は理学療法士として運動機能を改善させ、ADLを向上させることによって、拘束しなくてもよいように出来ないか試みてます。それには病棟の協力が必要なので限界を感じます。記事の中で述べられていたように、チームワークがないとできない事です。itoさんのように強いリーダーシップが取れるように優れたパーソナリティーを身に着けたいです。

  2. カッチン.com より:

    高野さん!
    ありがとうございます。
    身体拘束を無くすことは本当に大変ですね。
    今回は成功した事例ですが、失敗した事例も数多くあります。
    また、その中で利用者様に負担をかけてしまった事もあり反省しています。

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