認知症高齢者の身体拘束廃止に向けた基本的な考え方と実践例

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介護現場では、認知症の利用者が多くいます。

徘徊をしてしまう人・勝手に他の利用者の部屋に入ってしまう人・点滴中にその針を引き抜いてしまう人・骨折をしているのにベッドから歩こうとする人等、内容をあげればきりがありません。

そういった症状を抱えている人は、何もわざとそんな事を行っているわけではないのも事実です。

介護職員はそのような葛藤を抱えながら、介護業務を行っています。

また、そのような危険行動が多い利用者に対しては、「身体拘束」を行い、対応している事もあります。

・身体拘束の実情
私が施設で働いて経験した事のある身体拘束を紹介します。

【ベッド上を柵で囲む】
ここはあえて「柵」と言う言葉を使いました。
本来はベッドから起き上がる為の「手すり」と言う言葉を用いられますが、利用者の徘徊や危険行為が重なると、「4点柵をしておくしかない」と、言葉の表現方法が変わります。
4点柵とは、ベッドサイド両脇に2本ずつ柵をつけて、ベッドから移動させないようにする行為です。
現在でもこのような対策を行っている施設はあるでしょう。もちろん事故や危険に繋がる事を想定した上で、家族の了承をもらい、同意書を書いてもらう事にはなります。
ベッド柵を乗り越えてベッドから転倒する事故も多いので、より大きな事故に繋がる可能性もあります。

【ミトンの装着】
こちらは点滴中に、針を抜かせないようにしたり、バルンチューブを引き抜かないようにする為の物です。
疥癬になった利用者が身体を掻きむしるのを防止するために使用されることもあります。
確かに無理や抜いてしまえば出血を伴い非常に危険な行為となるので、利用者の状態次第では行う施設も多いでしょう。

【車いすベルトの使用】
車椅子から立ちか上がれないようにする為の福祉用具です。
利用者の事を思えば、福祉用具と言う言葉はおかしな話ですが、職員や家族からの目線で言えば、利用者の安全を守るという大義名分がありますので、仕方ないのかもしれません。また、抑制帯、抑制ベルト、Y字ベルトなどとも呼ばれます。

・身体拘束を施行できる条件
状況的に難しいと判断すればむやみやたらに身体拘束が行えるわけではありません。
そんな事を国が了解してしまえば、入居施設を利用している大半の利用の行動は、職員や家族によって制限されている事でしょう。
基本は何かに縛られて、決められた時間のみ開放が許されるなんてあってはならないことなのです。
ただ、その利用者や周りの利用者の命の危険を脅かす行為には、この身体拘束で対応する事が許されています。
そして、その条件は、(一時性)(非代替性)(切迫性)の3つの要件をすべて満たして初めて行う事が出来ます。
一時性は、「身体拘束が一時的な行為である事」
非代替性は「色々と検討した結果、身体拘束以外ではその行動を止める事が出来ないと判断した時」
そして切迫性は「利用者やその周りの人の命の危険がある時」
となっています。

このように身体拘束を行うには3つの条件をクリアしなければ行う事は出来ません。

ただこの内容を聞いてどう思いますか?

私はなんて曖昧な表現方法なんだろうと思いました。

一時性とは一体どの程度の物なのでしょう?24時間のうち何時間まで行う事が可能なのでしょうか。

特に非代替性なんかだと、その施設で働いている職員の知識力で決められてしまう事にあります。

その利用者の対応方法について、身体拘束をしなくても出来る対応が2つあるとします。

しかし、その施設にいる職員が誰一人その方法を知らなければ、利用者は行動を制限される事が決定してしまうのです。

こんな事は間違ってもあってはならない事です。

その為に介護職員に研修の機会を設ける事が、各施設には定められているのでしっかりと知識を身につけておかなければなりません。

そして、絶対に間違った考えは持たないようにしましょう。

身体拘束をする為にどうしたら3つの条件に当てはまるのかを考えるのではなく、どうすれば身体拘束を行わずにすむのかを検討しなければなりません。

・身体拘束をしなくても過ごしてもらう為に
上記でも説明しましたが、介護職員は同僚と一緒に研修を受けたり、自身で学習しながら知識を身に着けていかなければなりません。

身体拘束を防ぐ為の方法について、いくつか紹介していきます。

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【ベッドセンサーの利用】
利用者が徘徊するような事がある場合に便利なのが、このベッドセンサーです。
マットレスの下に敷いて置き、体が起き上がるとコールで知らせてくれる物です。
これがあれば柵をしなくても、体を起こした事を職員が把握できるので、居室に向かう事が出来ます。
しかし、この方法は行動の監視という視点からグレーゾーンと言われることがあります。

【畳を用いて布団を利用する】
ベッドからの転落が怖いなら、いっそベッドを辞めてしまうのも一つの手でしょう。
意外とそっちの方が安心される利用者もいるのです。
利用者本位なら問題が無いのですが、立ち上がれないように畳に変更する事は、グレーゾーン、身体拘束と言われることがあります。

【排泄誘導の回数を増やす】
徘徊してしまう利用者の多くは、トイレに行きたいと思っているのです。
利用者の排尿回数や間隔などの統計を取り、利用者のリズムを把握するのもいいでしょう。

【病院受診をする】
点滴は何も施設で行わなくてもいいのです。危険だと感じれば、かかりつけ医に相談し、受診して点滴の対応をお願いしてみましょう。

【チューブを目に触れない位置に】
チューブが目に入ってしまうから抜こうとするのです。
目に見えなければ抜こうとしないでしょう。
ぬいぐるみを抱いてもらう事で落ち着く人も多いです。

【立ち上がろうとする意味や、意思の確認】
立ち上がろうとするのには何か理由があるかもしれません。
トイレに行きたい・お尻が痛い・部屋に戻りたい等、意味があるので人は立ち上がるのです。
「立ったら危ないから座ってください」なんて事を言ってもなんの対策にもなりません。
職員が少し一緒にいて見守る時間があれば、理由がわかり対策案が出るかもしれません。

このように、知識があれば身体拘束を行わずに過ごしてもらう事が出来ます。
そうすれば人が人の行動を制限する行為は無くなっていくでしょう。
そして、知識を身につける事を他人事だと思わない事。これも大事です。
その施設にあなたがいたから、その利用者は拘束されずにすむかもしれません。
あなたの知識で人が救われるかもしれないのです。  
それくらい大げさな事だと思ってくれる人が一人でも増えれば、身体拘束という行為が明日から少しでも減少している事でしょう。


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認知症高齢者の身体拘束廃止に向けた基本的な考え方と実践例” に対して1件のコメントがあります。

  1. ゆうな より:

    先日NHKの番組で身体拘束の実態(被介護者やその家族側と介護する側のどちらにも取材したような)を特集した番組をやっていて、難しい問題だなと思っていました。身体拘束をしない方法というのも具体的に挙げられていて勉強になりました。

  2. カッチン .com より:

    コメントありがとうございます。身体拘束は、介護の現場では重大な問題となっています。どこからどこがという基準が難しく、利用者によっても該当するか変わる場面もあるので難しいです。
    私は、その人にとって、苦痛になってないかを一つの基準として取り組んでいます。

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