身体拘束廃止と法改正!認知症高齢者の周辺症状と安全

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認知症による周辺症状

認知症になると周囲の状況や自分が置かれている状況を理解できなくなります。

そのため、介助者にとって予想しない行動を起こすことがあります。

それは、「認知症による周辺症状」と言われるものです。

周辺症状には以下のようなことがあります。

徘徊・不安・うつ状態・幻覚 妄想・興奮 暴力・不潔行為 など

介護者側が良いと思って介助しても思い通りにいかず、また同じ事を繰り返す。

介護者としては辛い現状です。

介助者も人間のため、苛立つこともあります。「思い通りにいかない介護をなんとかしたい」等の思いが強く、

要介護者への配慮が薄れた時に行ってしまうことが、「要介護者の行動制限」いわゆる「身体拘束」です。

厚生労働省が2001年に発行した「身体拘束ゼロへの手引き」に、禁止とされる身体拘束の具体的な行為11項目掲載されており以下の内容です。

禁止とされる具体的な身体拘束11項目

1 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
2 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
3 自分で降りられない様に、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
4 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
5 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
6 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないようにY字型抑制帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。
7 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。
8 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
9 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
10 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
11 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。

上記の行為以外にも、利用者の気持ちや考えを無視し行動を言葉で制限する「スピーチロック」などが挙げられます。

なぜ身体拘束はいけない事なのでしょうか?

人は自分の意志で生きることができます。

その意思を無視し、身体の自由を奪われることは誰でも望んでいないことです。

それは認知症を抱えた高齢者も同じことです。

認知症だから何もわからないわけではなく、ただ認知することが人より劣っているだけで思考や感情は残っています(終末期の確認は難しいですが)。

この高齢社会において「認知症高齢者の安全の確保」は重要なことですが、「安全の確保」を優先し、認知症の高齢者の感情や思考を無視し身体拘束を実施していることが現実です。

そのようなことを防いでいく目的で厚生労働省が2001年に発行した「身体拘束ゼロへの手引き」に、禁止とされる身体拘束の具体的方法が明確化されました。

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身体拘束ゼロ宣言実施施設

現在、以下の介護保険関係施設で「身体拘束ゼロ宣言」を実施し身体拘束の廃止に向けて取り組んでいます。

介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護療養型医療施設
グループホーム
特定施設入居者生活介護
単独短期入所生活介護
小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護
地域密着型介護老人福祉施設
地域密着型特定施設入居者生活介護
有料老人ホーム
サービス付き高齢者向け住宅

さらに平成30年4月の介護保険法改正に伴い、身体拘束が適正化されました。

身体的拘束等の適正化

身体拘束廃止未実施減算 <現行>5単位/日減算 ⇒ <改定後>10%/日減算

算定要検討
身体的拘束等の適正化を図るため、以下の措置を講じなければならないこととする。

・身体的拘束等を行う場合には、その態様及び時間、その際の入所者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録すること。
・身体的拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を3月に1回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他従業者に周知徹底を図ること。
・身体的拘束等の適正化のための指針を整備すること。
・介護職員その他の従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること

このように介護保険改正により身体拘束は厳しく規制がされることになりました。

介護保険関係施設で他の利用者様の生活を守るため、そして利用者自身が生命の危険にさらされないようにやむを得ず認められている身体拘束ですが、なぜ厳しく規制されることになったのでしょうか。

その理由として、不適切な身体拘束が行われている現状があります。

冒頭で説明した通り、認知症の周辺症状により、自分自身・他利用者、場合によっては介護を行う者も危険にさらされる可能性があります。

その場合、医療職員・介護職員・ソーシャルワーカー(相談員)等の専門職が集まり、多方面からその周辺症状を緩和する検討会(カンファレンス)が行なわれるのですが、そのようなことが実施されない、または実施しても対処方法だけで、根本的な解決案を検討しないケースがあります。

そのような場合、「安易な考え」や「介助者側の一方的な考え」の下、身体拘束を行ってしまします。

そのような状況では、記録も雑になり、ご家族様への説明も不十分になります。

最終的には身体拘束が原因で心身機能が低下し、寝たきり状態・新たな病気の発症を招き、利用者様の生活は制限され、場合によっては亡くなってしまうケースもあります。

そのようなことを防ぐために、再度、身体拘束に対しての正しい知識を理解し、やむを得ない状況になった時は制度に則って行う必要が重要です。

認知症という病気を抱え、自分の意志ではどうにもならない状況で周囲に迷惑をかけてしまう高齢者を安易な考えで拘束することは人権を侵害する行為です。

このようなことが起こらないように、加齢による心身の変化・認知症の正しい知識・そして何より病気を抱えても1人の人間として接する気持ちが大切です。


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