介護施設のせめぎ合い。声掛けと傾聴が認知症ケアの第一歩

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介護施設のせめぎ合い

それは、利用者に自分のペースでゆっくり過ごしていただくことと、利用者が生きるために必要な栄養摂取や水分摂取、清潔保持、排泄介助を施設側が管理していくこととの2つにあります。

後者は、たとえ利用者が嫌がられても、手を替え品を替え、なんとかこなさなければなりません。

これはつまり、利用者の意思に反することであったり、体調や気分をやや顧みないことに繋がり、方法によって、または、度が過ぎれば、「虐待」や「事故」と直結します。

私などは、多少の“ご無理”をお願いすることに慣れてしまっているのですが、側から見ると、ギョッとした顔をされることもあるのでイエローカードですか…。

「ユマニチュード技法」というものがありますが、そのままを施設業務に反映できるかというと、その人の思いや生活ペースに寄り添った介護のみを実施することは、施設で複数の人をいっぺんに少数のスタッフで見ているわけですし、介護記録や食事などの準備、環境整備等の雑務に追われる一面もあるので、ちょっと無理かなと思います。

傾聴と声掛け

では、利用者のご意思と生きるために必要な施設管理との折り合いをつけ、上手に立ち回るにはどうしたらよいか。

それは、まめな“傾聴”と適宜の“声掛け”につきると思います。


“傾聴と声掛け”、なんだかあまりにも当たり前なのですが、管理下にある人を無条件に無理矢理何かさせようとしても、抵抗もあり、例え水分摂取ができたりお風呂に入れられたりしたとしても、大小なんらかの代償を得ることになります(皮下出血ができたり、誤嚥性肺炎のリスクが高まったり、何より信頼関係が損なわれます…etc)。

利用者への念入りな聴き取りと、それを受けての適切なアドバイスや思いやりの言葉の投げかけは、すべての施設業務をスムーズに、そして、質良くしていきます。

認知症ケアの事例

Y子さんは89歳。人柄も良くお話好き。でも、お茶など水分摂取をあまりしません。

入所のずっと以前から、水分はあまり取らないとのこと。いつもいろいろな手段で水分摂取に挑戦しますが、なかなかうまく行きません。

ある日、Y子さんが、傾眠も少なく、折々子供の頃の話を周りにしていたので、私は業務に追われ時間がなかったのですが、ちょっと会話に参加してみました。

お話を聞くにつれ、そもそも子供の頃からお茶が嫌いで、甘すぎる飲み物も嫌いで、最近は喉の通りが少し悪いんだ、とのことでした!

こういうことは、激務の中で、はっきりと聴取できることは稀なのですが、やはりこまめな傾聴は必要だと実感しました。

また、Y子さんは、ちょっと会話をしてからお茶を飲むというパターンがあることにも、その時気がつきましまた。嚥下機能が下がっているので、飲む準備をしているらしいのです。

私は、Y子さんと事務的に関わっていて、その思いを汲み取れていなかったことや、微妙な変化を観察できていなかったことは大きな怠慢だなぁと、非常に反省しました。

Y子さんの生活ペースの尊重や、嚥下機能低下を理解して、身体や嗜好に合った飲み物(微糖のミルクティーがお好きでした)を提供して、適宜お声掛けして、水分摂取に努めることが大事と、考えが改まっていきました。

今ではほんの少しですが、水分の摂取量が増えてきています。

A子さんは、食が細い。気に入らなければ食べない。

それどころか、自分の食事を人に配って、食形態の違うお客様がそれを美味しそうに食べようとしている、そんな場面がよくありました。

やはり時間をとってお話を聞いてみると、昔はお金持ちの箱入り娘だったとのこと。

もともと少食で子供の頃からきたのだそうで、人に食事を配るのもみんなに配って喜ばれるのが好きだからとの聴取ができました。

私は、栄養摂取ということでしか食事を見ていなかった気がしてきて恥ずかしい思いがしました。

人への優しさや経てきた人生への寄り添いは、重要なことだと確信した出来事でした。

私の所属ユニットでは、A子の食事量が少ないことをあまり問題にしなくなりました。

その分で親しみをもって食事の観察をすることができていきました。コミュニケーションの大切さを物語る、よいエピソードを得られました。

さて、その利用者とのコミュニケーションを向上させるには、どうしたらよいのか。

もっとも有効なのは、レクリエーションの実施だと思います。

また、整容をちょっと長めに時間をとってあげるのも、信頼関係が培われます。

人は、余暇活動をモチベーションに生きています。食事・排泄・入浴・睡眠だけでは人生味気ないです。

利用者・スタッフともどもに楽しんで、分かり合えば、自ずと双方口数が増え、お互いが思いやりをもって接していけます。集団体操や身体を使ったゲーム、丁寧な爪切り、お化粧、髭剃り。

どうか時間を作ってやってみてください。

Y子さんも懸命に風船バレーに興じ、大いに笑い、乾いた喉をお茶で潤し、便秘解消にまで繋がりました。

介護施設のせめぎ合いは、煎じ詰めれば、人間関係が解決の糸口。事務処理や雑務を主体とせず、利用者とスタッフとよくよくコミュニケーションが取れていてこそ、いい介護ができるのだど再認識するとともに、事務処理なども、良質な人間関係がなっていれば、結果イライラせずに円滑に進んでいくものだと、実感します。

“業務”の妨げとなると、煩雑なお客様との会話を回避せずに、どうか“傾聴と声掛け”の基本を忘れないで、楽しい介護をめざして行きましょう。

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