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目次
母が脳梗塞で倒れた直後に決めたこと
私の母は5年前に脳梗塞で倒れてから、右半身マヒで車椅子での生活を余儀なくされています。
母親が倒れて病院で「麻痺が残り身体が不自由になるかも知れない」と聴かされた時に最初に思ったのが、在宅介護をする日が来たんだという思いでした。
そして直ぐに、『自分が出来る事だけを考えて、出来ない事は人の助けを借りよう』と決心しました。
何度も何度も喧嘩する日々
自分が出来る事だけをしようと決めたのですが、介護と言うのは難しいものでいざやり始めると、いろんな事をやり過ぎてしまいます。
自分の親の事なので、ついあれもこれもと世話を焼きたくなるのです。
おまけに相手も自分の子供なので、何の遠慮も無く頼ろうとします。
やってもやっても終わりのない介護の日々に心は苛立ち、何度も何度も怒鳴り声を上げたのを覚えています。
遠慮のない一言
親子と言うのは、いつまで経っても親から見ると子供は子供でしかないのです。
いくら頑張ってやったとしても、母は遠慮なく次の用事を言いつけてきます。
やればやるほど頼りにされますから、老人介護と言うのは本当に切りの無い介護なのです。
子供は成長するけれど
子供の世話なら、やがて成長し自分のことは自分でやるようになっていくので、段々と楽になってくるのは想像がつくでしょう。
しかし、老人介護と言うのは、どんどん身体は不自由になってくるし、こちらのするべき事はどんどんと増えてきます。
実際に介護施設では働く人は、それがストレスで障害者施設に転職する人が多いようです。
障害者なら成長する可能性があり、やりがいが生まれるようです。
出来ていたことも出来なくなってくる
私は、母が倒れ入院していた頃に母によく言っていたことが「食事とトイレだけは自分で出来るようになって欲しい」という事でした。
それさえ頑張ってくれれば、何とか自分でも世話が出来るという考えがあったのですが。
しかし、右半身は使えない状態で、頼りの左側も少しずつ衰えてきて、何度もトイレで失敗を繰り返すようになりました。
一度排泄を失敗すると、もう何度も失敗するようになります。
もう最後は汚物の掃除も気にならなくなるくらいでした。
それでも励まさなくてはならない
そんな風になって一時的に母を責めることはあっても、最後には結局励まさなければいけなくなります。
それは責めて落ち込ませると結局は私自身の負担が増すだけなのです。
私の負担が増えるばかりです。
なので私は「トイレの失敗なんか気にせずに練習のつもりで何回もトイレに行けばいい」と言ってやりました。
どんどん我儘に
そんな人を当てにしないといけない生活状態でも、母はどんどん我儘になってくるのが分かりました。
若い頃から押しの強い勝気な性格だったので、やりたいと思ったことは誰に反対されても押し通す人です。
身体が不自由でも遠慮はしません。
周りのことを思いやる余裕もないのです。
仕方が無い事ですが。
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家の中を改装だらけに
そして、母は自分のやりたいようにやり続けました、
自分がつかまって歩くために壁にいくつもの手すりを設置したり、玄関を自分の扱いやすいように改装したり、私たち姉弟は呆れていました。
しかし、言い出したら聞かない母の相手をするのは疲れるだけなので、結局は思い通りにさせておくしか仕方がなかったのです。
薬の面倒まで見きれない
介護で厄介なのは薬の面倒まで見なくていけないということです。
それが1回、2回のことなら何でもない事なのですが、毎日続くと覚えきれるものではありません、
こっちはこっちの生活があるのですから。
諦めること
結局やってもやっても切りの無い介護に私はどんどん疲れて行きました。
そして最後は、諦める事でした。
「もうできないよ」
母親にも同じ建物の3回に住んでいる姉にも泣きつきました。
やってもやってもの繰り返しは、結局自分にも責任はあったのです。
親を思う心
その責任と言うのはいくらやっても向こうも、もっとして欲しいと求めて来るし、自分も出来るだけの事はしてあげたいと思うのですから、最後は悲鳴を上げるのは当然のことです。
確かにヘルパーさんとかマッサージやリハビリの人達は支えてくれますが、在宅介護の場合多くは家族が負担しなければいけません。
泣きついたおかげで
結局私が泣きついたおかげで、病気で殆ど寝たきりだった姉が母の面倒を見始めました。
ずっと私に母の介護を任せきりだった姉が頑張って動くようになってきたのです。
救いと家族の結束
姉が母の面倒を見るようになってから、私の生活はどんどん楽になってきました。
といっても姉も、もともと健康に問題がある人なので、毎日は母の面倒はみていられません。
なのでメインは姉がみて、姉の身体の調子が悪い時は私が母の面倒を見るということで落ち着いています。
姉との仲も改善
私と姉はもともと仲が良くもなく、悪くもなくといった感じでしたが、母親の介護と言う同じ作業をすることで、共感が持てるようになってきました。
それまでは殆ど口を聴かずに過ごしてきたのですが、最近では持ちつ持たれつの関係になってきています。
そのことを考えると今までバラバラだった家族が、母親の介護を通して気持ちの繋がりを持てるようになってきたのが唯一の救いです。
まとめとして
結局母の介護をして思う事は自分ひとり頑張り過ぎない事、途中で放り投げる気持ちも大事だと思います。
周りに助けを求め助けられて感謝して生きる事の大切さを学んだ気がします。
また、最近メディアで高齢者の虐待が問題になっていますが、実際に在宅介護をしていると、暴言を吐いたり手が出そうになる事もあります。
物に当たったり、泣き叫んでストレスを発散しましたが、ストレスを発散することが出来なければ虐待をしていたかもしれません。
介護はケアの方法も重要ですが、ストレスを発散する方法を見つける事が一番重要だと思いました。
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