高齢者虐待が起きる理由は周辺症状!治療には身体拘束が行われる場合もある

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高齢者虐待が起きる理由

近年ニュースでは「高齢者虐待」の話題が多くなってきた印象があります。

在宅では家族やホームヘルパーが、施設や病院では介護士や看護師が虐待をしてしまい問題が発覚していますが、なぜこんなに「高齢者虐待」の問題が蔓延しているのでしょうか。

理由としては、1番は高齢者の数と介護者の数が見合っていないからです。

超高齢社会である現在、高齢者の人数は増加の一途です。

しかし、在宅サービスや施設サービスを増やそうと思っても、介護者・支援者となれる人数が少なければサービスの充実は図れません。

サービスを充実させて手厚い介護を行うとすれば、スタッフの人数に応じて利用者の受け入れに制限をかけるしかありません。

今在籍するスタッフだけ1人でも多くの利用者を受け入れていこうという方針を持てば、それだけ業務内容は大変になり、サービスの質の高さは利用者の人数が多くなるに従っておのずと低くなっていきます。

各介護事業所は、経営していくことや世間からのニーズを考えれば、後者の経営方針を掲げ日々努力しているところが多いです。

それは家族にとってありがたいことではありますが、介護事業所に勤務するスタッフの疲労やストレスは増加します。

これが介護事業所で起きる「高齢者虐待」の原因の1つだと考えられます。

介護福祉士にしても家族にしても、介護を行える人材自体が高年齢化していることや、給与面と業務内容の見合わなさからの人材不足が著しくなっています。

人材やサービスが不足している中で介護していく側は抱える疲労やストレスも多く、要介護者に対してついイライラしてしまうということはよくあるようです。

介護者のストレスが溜まる理由

要介護者に対してイライラしてしまう原因の1つに認知症の周辺症状が挙げられます。

認知症の症状は中核症状と周辺症状に分けられます。

中核症状は簡単に説明すると、いわゆる物忘れの著しさというような、「認知症」というフレーズを聞いて多くの方がイメージできるような症状のことを言います。

反対に周辺症状とは、幻覚妄想や徘徊、便いじりなどの不潔行為、異食、粗暴行為の増加などのことを言います。

昔は「問題行動」と言われていた症状です。

現在では、「周辺症状」や「BPSD」と呼ばれています。

要介護者から目を離すことができず、本人に注意をしても説明も入らず、ひどい時にはこちらの注意に腹を立て興奮して、逆に暴言や暴力を浴びることもあります。

これらの周辺症状に頭を抱えて対応に悩む家族や施設が多いのです。

周辺症状の解決方法

周辺症状はどのように解決していくのかというと、基本的には薬物調整になります。

施設入所者の薬物調整は、施設が協力医療機関としている内科の先生や往診医が行っているところが多いかと思いますが、基本的に認知症の専門は精神科病院です。

認知症医療センターの指定を受けている医療機関も多くあります。

施設入所者も在宅で看ている要介護者も、周辺症状の対応に困ったら、まずはそちらに受診することを勧めます。

軽度であれば外来での薬物調整で済むこともありますし、重症化していれば入院し、状態によっては閉鎖個室で隔離をして経過を見ながら薬物調整を行っていくことになります。

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身体拘束を行う場合もある

精神科では、あまりに興奮や徘徊が著しく本人や周囲に危険性が及ぶ場合は、身体拘束を行い治療を行っていくこともあります。

こうした隔離や身体拘束といった行動制限は、ずっと続けるわけではなく、症状が軽減するまでの間です。

行動制限をむやみに行うことは人権の観点からも法律で禁止されているため、やむを得ない場合のみとなっています。

病床を有している精神科病院では「行動制限最小化」に関する委員会が必ず設置されているため、安易な行動制限には指導が入る仕組みができています。

私の経験上、行動制限が続くのは入院後早ければ数日、長くても1ヶ月ほどです。

もちろん例外としてもっと長く続く高齢者もいますが稀でした。

この期間ずっと隔離や拘束をされているわけではなく、高齢者本人の病状によって、日中だけ隔離や拘束の解除を行って、スタッフ見守りのもとデイルームで過ごしてみたり作業療法を受けてみたりと様子を見ながら徐々に行動範囲を広げていきます。

最初は驚かれたり悲しまれたりする家族や施設スタッフも見受けますが、高齢者本人のためであることを、主治医はきちんと家族に説明して、行動制限を要した治療を行っていくことについて同意を得なければなりません。

周辺症状が重度化していると施設でも家庭内でも対応は困難となります。

「治るものではないから自分たちでなんとかしなければ」と思うよりも、精神科病院に受診することや入院することで、多くの認知症高齢者の周辺症状は重症度にもよりますが、1ヶ月~3ヶ月で落ち着きます。

精神科病院というと行きにくいイメージや、行くことに抵抗がある方も多いと思いますが、専門家に任せることによって家族や施設スタッフは大いに楽になります。

福祉だけで抱えるのではなく、医療との連携によって介護負担を軽減することができるので、地域の社会資源に今一度目を向けて、活用していくことを勧めたいと思います。

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