拘束ゼロに取り組んでいる認知症専門病院の工夫と実践例

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<2006年から「拘束ゼロ」を理念に掲げた病院>

日経メディカルと言うサイトで、埼玉県春日部市にある認知症専門病院では、2006年の開院当初から「拘束ゼロ」に取り組んでいるということが紹介されていました。

内科医の一人は、この病院に赴任した当初、そんなことができるのかと思っていたそうです。

寝たきりの人でさえ、拘束ゼロはありえません。

ましてや、歩くことができる人や車いすで移動できる認知症の人に対しても拘束しないで済む方法など、頭に浮かばなかったと語っています。

<手が足りないからは絶対にあってはならない>

ところが、やればできたのです。

様々な知恵や工夫を凝らすことで、今ではまさかと思っていたこともできるようになっています。

事務長が院内新聞に書いた言葉に、「危険を防止するために拘束するのは、過剰な安全意識だ。人手が足りないから拘束するなどは、絶対にあってはならない」と言った旨が書いてあります。

拘束をされてオムツを付けられ導尿されると、人としての自尊心までズタズタにされるのは、当たり前だと語っています。

”心に不安があるから嫌がるし、嫌がることを医療スタッフにされると混乱するし、興奮して暴れたり暴力的になってしまうこともあります。

さらに、暴力を防ぐという理由で拘束すると、不安は怒りに変わります。

それでも拘束を続ければ感情や感性を破壊してしまいかねない。

だから拘束をしないことを第一の理念に挙げているのです”と語っておられました。

<では、どのように工夫や知恵を凝らしたのでしょうか>

・車椅子に安全ベルトで固定しないと立ち上がる、転倒や転落するというケース

前施設では、転倒や転落の防止と言うことで車椅子に拘束されていた患者さんの場合、ご家族は安全ベルトをして欲しいと希望されました。

この患者さんは、車椅子に乗る時はいつも安全ベルトをしていたので、ご家族にしてみれば転落や転倒が心配だったのでしょう。

しかし、みんなで話し合って看護・介護プランを立てたのです。

車椅子から立ち上がることがあるという情報の共有を徹底し、見守りを強化しました。

デイルームの見守りやすい中央をこの患者さんの指定席にして、近くで見守りながら、どういう理由で立ち上がるのかを見つけたのです。

この患者さんの場合、立ち上がる理由はトイレと歩きたいという想いでした。

認知症患者さんの行動には、必ず何らかの理由があるのです。

そこで、患者さんのペースに合わせて見守ったら、今は、車椅子に固定しなくて済んでいるとのことです。トイレが理由であれば、そろそろ時間かな?という時を見計らって、「トイレに行きましょうか」とスタッフの方から声をかければ良いのです。

・夕暮れ症候群の患者さんのケース

認知機能障害が中程度の場合、夕方になると「早く家に帰らなければいけない」などという想いが強まって来て、徘徊するケースがあります。

このように、夕暮れ時になると徘徊することを夕暮れ症候群と呼んでいます。

夕暮れ症候群の患者さんに対しては、声掛けを徹底して、患者さんの訴えを傾聴しました。気分転換を図るために、お茶とおやつを一緒に飲食したりもしたようです。

すると、夕ご飯が来る頃には落ち着くことが分って来たのです。

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<患者さんを知って、その情報を共有する>

日中に積極的に活動して、夜は眠るというリズムを作ることは大切です。

生活のリズムを整えるためには、患者さん自身の事を知って、その情報をスタッフが共有することが最も重要です。

スタッフがしばらく付き添うことで、行動パターンが分ってきます。

徘徊が激しい患者さんの場合、自由に閉鎖病棟の中を歩けるように解放したら、少しずつ落ち着いたそうです。

幸いにこの病院は病棟の端から端までは70メートルもあり、廊下の幅も広いので、開放感もあって歩き回ることが可能です。

他院からの転院当初は目が離せない状態でしたが、やがて危険行動もなくなり、スタッフの付き添いも必要がなくなりました。

<やむを得ない場合は、どのように拘束するのか>

オムツの中に手を入れて排泄物をこねる、オムツをちぎって口に入れる、痒いから掻いてしまう、転落や転倒のリスクがあるという場合に、やむを得ず拘束をしたりつなぎ服を着てもらったりすることもあるでしょう。

しかしそのような場合、あなたが暴れるから仕方がないでしょと思いながら拘束すれば、その気持ちは患者さんに伝わります。

拘束が必要な場合、この病院ではスタッフ間の話し合いを行います。

つなぎ服を着用する理由や着用期間に関して、医師や精神科医の確認を取って了承のもとに実施しているのです。

着用期間は極力短期間として、どうしても人手が減る夜だけにするなどと着用時間も極力短い時間で済むようにしているようです。

拘束をする場合、仕方がないのではなく看護力の敗北に該当すると語るナースもいます。申し訳ない、という気持ちを持たなければならないと言います。

そして、拘束後はできるだけ声掛けを多くしたり、気を紛らす工夫も必要です。

点滴のためにやむを得ず拘束するときは、気を紛らせるためにベッド上の拘束ではなく車椅子で点滴をして外に散歩に行ったり、お喋りをしながら手をつないで点滴をすることもあるそうです。

拘束には2種類あると、私は思います。冷たい罰のような拘束と、温かく守るための拘束です。

拘束ゼロが難しいのであれば、せめて冷たい罰のような拘束をゼロにすることを目指せないのかと思います。

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