高齢者の昼夜逆転対策の事例!趣味のカラオケを利用した結果は?

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昼夜逆転

私は現在、グループホームにて管理者をしています。

1年ほど前に部下からの相談として「Aさんが昼寝ばっかりして夜寝てくれなくて困る」との相談を受けました。

私は原則として「Aさんが夜寝たくないのならそれで良いんじゃない」と答えたと記憶しています。

しかしながら、ご本人様にとりましても、昼夜逆転というのは大変しんどいことと理解しました。

ちなみにAさんは、70歳のアルツハイマー型認知症の男性です。

趣味で離床時間を増やす

そのときは、このような一策を案じました。

まずは、日中少しずつ離床する時間を増やすことから始めました。

Aさんの趣味はカラオケです。

併設する特養より通信カラオケを一式借りてきて、グループホームにあるテレビ画面につなげました。

ちなみに最近はエルダー向けカラオケと言って、高齢者施設向けにカスタマイズされた移動できる通信カラオケがあります。

音楽がかかり始めるとAさんの元に行き、「今日はカラオケの機械を借りてきましたから一緒にしませんか」と声かけをしました。

Aさんは、半分寝ぼけまなこでしたが、「歌うよ」と返答してくださいました。

高齢者はカラオケが好き?

飲み物やお菓子の類も用意し、私が司会進行をしながらカラオケ大会の始まりです。

「本日はグループホーム大カラオケ大会にようこそお越しくださいました」

「みなさん、食べて飲んで大いに歌ってください」と盛り上げることも忘れません。

ご高齢者の方は総じてカラオケを歌うのも聞くのも好きな方が多いです。

特に、私の勤務先は中山間地域にあり娯楽に乏しくカラオケはみなさんの共通の娯楽でありました。

職員が飲み物やお菓子をサーブしながら、順番に曲目をセットしていきます。

順番にマイクを回していき、Aさんの番になりました。

曲目は「都はるみの大阪しぐれ」です。

楽しそうに歌うAさん。

職員も手拍子などで盛り上げます。

その後も、マイクが回ってくる度に楽しそうに歌う姿が見られました。

さてその日の夜ですが、いつもは深夜0時を回っても眠りにつくことができないAさんでしたが、23時半過ぎにはウトウトとされ始めました。

これを5日間ほど続けると、少しの間ではありますが日中離床されることができました。

しかしながら、毎日カラオケ大会を開催するわけにはいきません。

カラオケ大会以外の昼夜逆転対策

Aさんの主治医と相談し、抑肝散(よくかんさん)という漢方薬を処方してもらうことになりました。

気持ちを穏やかにする漢方薬ですが、他の薬と比べると比較的緩いとのことです。

また、その主治医いわく「やはり日中の離床と就寝前の穏やかな時間作りが大切」だとの助言もいただきました。

「その人らしさ」「その人のペースで」との観点から言いますと、離床を無理強いすることはできません。

また、強制することも本意ではありません。

しかしながら、ご本人が夜寝られないことをつらく思われていることは事実です。

Aさんとゆっくりお茶を飲みながら、いろいろとお話しをしました。

「夜寝られないのはつらい」

「だからと言って、昼に無理やり起こされるのもしんどい」

とのことです。

私は、

「Aさんの体調や体力、年齢からしても適度なお昼寝をすることは良いことだと思います」

「ですが、お昼寝をしすぎるとやはり夜は寝られませんよ」

「私もお昼寝し過ぎると、夜寝られませんから」

と笑いながら話しをすると、

「あんたも一緒か」

を笑ってくれました。

そこで、

「私からの提案なんですが、午前と午後に1曲ずつ一緒に歌を歌いませんか?」

と誘いました。

カラオケはありませんが、その日勤務の職員に午前、午後とレクリエーションの時間に童謡などを1曲ずつ歌うようにとの指示を出しました。

翌日より実施した結果、少しずつではありますが

日中の離床時間を確保できるようになってきました。

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夜間の対策

また、夕食を食べた後のくつろぎ時間にも着目しました。

以前は消灯就寝直前までテレビをつけていたのを適度な時間に止め、ヒーリングミュージックを流すことにしました。

また、入眠する前に甘いホットミルクを提供し入眠を促すこととしました。

特にご高齢者の方は水分摂取量が不足しがちになります。

就寝中でも気化した汗や呼吸にて水分が失われていきます。

就寝前に甘いホットミルクを提供することで、水分補給の実施、夜間空腹の訴えの軽減を試みました。

「なんかお腹がじんわり温かい」とAさんは言われていました。

その日は、22時前にはウトウトとされていました。

冬場には、生姜湯をお湯では無くホットミルクで作ったものを提供しています。

ヒーリングミュージックを流している際も、職員ができる限り業務の手を止め、ご利用者の方々とゆったりとおしゃべりをする時間としました。

結果として、昼夜逆転の改善へつながったのではと感じています。

さいごに

職員はご入居されている方々にとりまして、私たちは新しい家族です。

その家族である私たちが、ご利用者の方々に少しでも快適な環境を提供することができれば、ご利用者の方々が安心と穏やかな生活をおくることだができ、その結果、職員の業務負担軽減へもつながるのではと感じています。

また施設は病院ではなく生活の場です。

私たちの家と同じ感覚で接する事が重要です。

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