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今回は少し違った視点から介護を考えてみます。
たかがムダ毛、されどムダ毛で、ムダ毛の話です。
目次
<介護脱毛とは>
「介護脱毛」という言葉を知っていますか?
私が初めてこの言葉を聞いた時は、「ああー、介護のストレスで円形脱毛症にでも、なってしまたのかな?介護は何かとストレスが溜まるから、円形脱毛症にもなることはあるだろうな」などと思いました。
しかし、よくよくその次の文章を読んでいくと、髪の毛が抜けてしまう方の脱毛ではなく、ムダ毛を処理する方の脱毛のことでした。
介護の経験のある人などが、自分がもしも誰かに介護される立場になった時のことを考えて、予め脇毛や局部の毛を脱毛クリニックなどで綺麗にしてしまうことを「介護脱毛」と呼んでいるのです。
「ああーなるほどなあ。今はもう、ムダ毛が生えてこないように永久脱毛ができる時代だから、予め綺麗にしておくのかあ~」と、感心するやらびっくりするやらという感じでした。
しかし、これは介護士さんや介護現場でも、色々と考えさせられることの1つではないでしょうか?
<介護をする際に妨げになるもの>
医療脱毛を専門とするクリニックが、「親の介護をスムーズに行う際に、妨げとなりそうなものはどんなことですか?」と尋ねています。
複数回答OKですが、1位は局部のムダ毛でした。
60%以上の人がこのように局部のムダ毛を介護の妨げになると答えています。
次いで2位が約30%の人が体重の重さと答え、3位が約24%で入浴時や清拭時の体毛と答えていました。
体重の重さで腰を痛めるなどの悩みよりも、ムダ毛の方が問題となっているようです。
女性の場合、高齢になると陰毛も体毛も薄くなって来ることが多いですが、男性の場合は高齢になっても、しっかりと生えている人が多い傾向があるようです。
そして、男女ともにムダ毛が薄くなっても、毛の長さは変わらないという傾向も見られるようです。
オムツを交換するときに、陰毛や肛門周りの毛に便が絡みついてなかなか綺麗にならない、などと言う事を経験したことのある介護士やナースも多いでしょう。
そんな時に「カットしてしまいたい」とか「剃毛してしまいたい」と思うことも多々あるようです。
また、排泄物を拭き取りにくいだけではなく膀胱炎や膣炎の一因になることもあるし、清潔を保つといった観点からも、陰毛や肛門周りの毛を短くカットしたり剃毛したい、と思うケースも多々あるでしょう。
<剃毛や散髪>
実際に私の母が認知症で療養型の病院に入院した時は、ナースの方から「剃毛したい」という申し出がありました。
その時、母はまだまだ意思表示ができる状態だったので、私はナースに「母に直接聞いてください」と答えました。
ナースがどのような言い方で母に剃毛を提案したのかは知りませんが、後日母は「あそこの毛を剃られた。何だか罰みたい」とポツンと話していました。
この病院では、ほとんどの人が剃毛されてしまうようです。
患者はナースから言われると、嫌だとは言いにくいと思います。
私から母にどう思うか聞いて、それを看護師に伝えるほうが良かったかなと、少し後悔しています。
そして、髪の毛もショートカットになっていました。
これも、介護や看護をしやすくするためのようです。
私は似合ってると思ったのですが、母は「こんなにも短くなるとは思ってもいなかった」「男みたいや」と少し戸惑ってました。
顎のラインくらいまであった髪は耳が全部出て、母の言うように男性のようなショートカットになっていたのです。
美容院のように目の前に大きな鏡がある状態で切ったのではなく、ボランティアの美容師さんが病棟まで来てくれて、床にビニールシートを敷いてクロスをかけて切っただけなのです。
途中で1回だけ鏡を見せてくれたようですが、ほぼ切った後に初めて鏡を見たような感じだったので、イメージしていた髪型とは違ったという事もあって、戸惑っていました。
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<介護脱毛をしておきたいと思っている女性が約63%>
自分の親にこのような経験がある人にとっては、ムダ毛で介護する人に嫌な思いをさせたくないという気持ちが湧くのでしょう。
脱毛専門の医療クリニックが親の介護を行っている人や介護を控えているという30~40歳代の男女220人に、介護脱毛に関するアンケート調査を行っていました。
「あなたは将来、介護されることになる時に備えて、介護脱毛をしておきたいと思いますか?」という質問をしています。
その結果、女性の場合は、できれば脱毛しておきたいという人と必ず脱毛するという人と既に脱毛済みだと言う人を合わせると、約63%もいました。
いいえと答えた人、つまり介護脱毛はしたくないという人は残りの約37%です。
それに対して男性は、いいえの介護脱毛など考えていない人が約66%でした。
そして、できれば脱毛しておきたいや必ず脱毛したいや既に脱毛済みは合計約34%でした。
この34%という数字は女性と比べると少ないですが、男性の3人に1人が事前にムダ毛をきれいにしておきたいと考えているのかと思うと、多い数字ではないでしょうか。
一番脱毛しておきたい部分は、1位が肛門周辺ついで2位がIラインと呼ばれる陰部、そして3位がビキニラインで4位にワキの下と続いています。
やはり排泄の際に不潔になりやすいということや、介護をする人に嫌な思いをさせたくないという事のようです。
現在、脱毛クリニックで介護脱毛を受けに来る人は、50歳前後の女性が多いそうです。
私は数か月前に初めて「介護脱毛」という言葉を知ったのですが、いろいろと考えさせられました。
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