感染症対策

医療や介護現場で使われる「アウトブレイク」とは?感染症対策研修



これまで、介護施設における感染症対策をお伝えしてきましたが、「アウトブレイク」という言葉を聞いたことはありますでしょうか?

今回は、このアウトブレイクについて、お伝えします。

アウトブレイクとは?

アウトブレイクとは、「ある一定の期間に特定の場所において、特定の集団またはグループで通常予測されるよりも多くの事象が発生すること」を言います。

これを医療・介護の場に当てはめると、「病院などの医療機関や介護施設において、ある一定の期間に入院患者や入所者に、通常予測されるよりも多くの感染症が発生すること」になります。

特に、これからの冬期間で対象となり得るのは、インフルエンザ、ノロウィルス性胃腸炎です。

アウトブレイクが疑われると判断された場合は、ただちに会議を招集し、原因の特定、対応策を早急に実施されることになります。

これと同時に、施設内の病院であれば、病院長や院内感染対策委員長、介護施設であれば、感染対策部門の責任者または施設長に対し、この事実を報告して事態の収束を図ることになります。

これは早ければ早いほど拡大に伴う様々な影響を最低限に抑えることが出来ますが、通常は7日以内にアウトブレイクに対する感染対策を講じることになります。

どこからがアウトブレイクか?

どの時点をもってアウトブレイクとするかは大きな問題になります。

一つの基準例を示します。

インフルエンザ・ノロウィルス性胃腸炎を例に取ると、1例目の発生の時点から、1日以内に病棟内で2名の新規発生が見られた場合が一つの基準になります。

なぜ、ここまでシビアな基準になるかと言えば、これまで話題の中で指摘してきたように、インフルエンザ、ノロウィルスともに、感染力が非常に強い代表であるからです。

するべき感染対応

まず、感染対策を講じた後の時点に、更に新規発症が認められている場合です。

これは、現在講じている感染対策が機能していない証拠と判断する必要があります。

一つでも不十分な点があると効果を見せません。

個室隔離やコホーティングは適切になされているか、患者のバイタル測定と評価はきちんとなされているか、非定型の症状もあることから、特に高齢者は、自分自身の症状や体調をうまく表現できません。

また、隠れ症状である可能性もあります。

通常よりもシビアに疑わしい症状の患者を拾い上げることが必要です。

次に、疑わしい患者の迅速検査を積極的かつ判定が疑わしい場合には、繰り返し実施することが必要です。

これまでもお話したように、検査には、検出率、正しい採取、偽陰性の問題があります。

検査を実施する時間的なタイミングも合わせた再検討が必要です。

新規発症後、または、感染対策を講じた後の新規発生者が10名に達した場合は、管轄の保健所に対し、速やかに遅滞なく集団発生した旨を報告しなければなりません。

保健所は、報告のあった病院や介護施設に対してヒアリング、具体的な感染対策の指示、場合によっては、検体のサンプリングと精密検査を実施する場合があります。

また、不幸にして、発生している感染症によって死亡者が発生した場合も、同様に保健所や関連機関に対して報告をしなければなりません。

周囲の病院に対してアウトブレイクと感染対策について助言や指導を求めることも、場合によっては必要です。

感染対策が機能し始めると、新規発生も収束を見せ始めてきます。

インフルエンザ、ノロウィルスともに、最後の新規発生から数えて、潜伏期間や隔離解除基準の日数を経過して新たな発生がなくなった時点で、一応の鎮静化または収束と判断することが出来ます。

ここまでは、毎日、保健所からの指示で発生患者の状態、新規発生患者数を報告することになります。

教訓をどうするか

不幸にしてアウトブレイクは発生、またはそれにより患者が死亡する事態が発生すると、往々にしてマスコミのニュースで報道される場合も少なくありません。

それは、地域から自分の病院や介護施設に対する感染対策、衛生・安全面での信頼性評価に大きなダメージを受けることを意味します。

ですが、そうしたアウトブレイクを大きな教訓として今後に生かしていくことが必須となってきます。

感染対策マニュアルの見直し、看護・ケアの方法の見直し、病院環境の見直し、患者の家族や外部からの訪問者に対する感染対策の見直し、様々な見直すべき項目が見えてきます。

また、職員自身のこれまでの標準予防策の徹底を振り返ること、感染対策の一つである予防接種率の向上なども挙げられます。

そうした点の改善と職員全員での実践、患者の家族やが外部からの訪問者への積極的な啓発によって、より強固な感染対策を整備する大きなチャンスでもあります。

失敗から学ぶべきことは多くあります。

アウトブレイクは発生させないことが勿論ベストな訳ですが、もし発生させてしまった場合、初期対応をどこまで迅速に正確に徹底して行うかが要になります。

こうした点を念頭に、これからの感染症流行期を乗り切ってください。

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