感染症対策

介護施設と結核菌の問題!空気感染と対策!臨床検査の方法


なぜ今「結核」なのか

結核といえば、もう昔の話と思われる方が多いのではないでしょうか。

しかし、感染症の動向を見ていますと、毎週のように、全国で発生報告例が見られています。

その背景を考えてみますと、まず輸入感染症の側面が見えてきます。

つまり、海外、特に東南アジア圏からの輸入という面が見えます。日本で就労する外国人を多く見かけますが、日本へ入国してくる東南アジアの特に若い世代の方が結核を持ち込む例が指摘されています。

来年は、東京オリンピックという大きなイベントが控え、開催中はたくさんの外国人が日本へ訪れますが、それによって結核の持ち込みが大きく懸念されています。

また、高齢者の結核感染例も多く見られます。

現在高齢の方の中には、若い時に結核に感染したという方も多いと思いますが、薬物治療で静まっていた結核菌が再燃して感染する、または、長い潜伏期を迎えて発症する例が指摘されています。

結核とは

結核とは、「結核菌」に感染することで発症する病気です。

結核菌の正体は、Mycobacterium tubercurosisという菌です。Mycobacteriumというのは、菌の属を意味しています。

結核菌に似たものに、非定型抗酸菌やMACと呼ばれるものがあります。

これらは、結核菌とは異なる菌による感染症です。

さて、結核菌は、感染後1年以内の発症が多いとされていますが、それ以後の期間を経た発症も当然あります。

感染経路は、空気感染です。

これまでお話もしてきましたが、感染経路には、空気感染・飛沫感染・接触感染とあり、空気感染は最も感染力が強いです。

結核は、高齢者、糖尿病・胆癌患者・免疫不全患者(免疫力が低下している、免疫抑制剤を使用しているなど)などの基礎疾患を抱える人に感染発症のリスクが高いと言われています。

肺結核の既往がある人は、再発のリスクがあります。

臨床症状は、微熱程度の発熱が継続する、咳などと言われますが、顕著な症状に乏しいのが特徴です。

そのため、治りにくい風邪などと勘違いをする方も多く、検査の要となる胸部X線などの画像診断でも、いわゆる見落としをされるケースも目立ちます。

その間に空気感染によって接触者への二次感染による拡大という問題に発展することになります。

結核の臨床検査

結核を確定診断する臨床検査には、抗酸菌塗抹、抗酸菌培養、結核菌群同定のTaq Man PCRという遺伝子レベル検査、T-SPOT検査があります。

抗酸菌塗抹、培養、PCR検査は、喀痰を臨床材料として使用します。

喀痰をスライドガラスに塗抹して染色、顕微鏡で観察し、結核菌を直接検出するものが抗酸菌塗抹です。

ガフキー号数で客観的に数値化し、感度つまり検出率は高く、塗抹検査で陽性と判定されれば、ほぼ結核菌感染は間違いありません。

喀痰を結核菌が発育する培地に塗り、4週間後、8週間後の発育状態を観察するものが抗酸菌培養です。

検出率は高いですが、結果が出るまで1か月から2か月かかりますので、その後の治療方針をこれに頼っていると、患者の容態は進行します。

従って、通常、培養だけの検査は行いません。必ず、塗抹と培養がセットで実施されます。

喀痰を遺伝子レベルで増幅する検査がPCR検査です。

感度も高く、検査結果も2日から3日程度で判明しますので、現在積極的に利用されています。

T-SPOT検査というのは、患者から採血し、血液中の結核判定の元になる血球成分をカウントし数値化したものです。

感度が大変高いのが特徴です。

喀痰検査というのは、患者から得た痰が正しい方法で採取されていることが前提となっていますので、唾液成分の多い痰というのは、検査の材料としては不適となり、偽陰性というリスクを抱えています。

この点、血液を材料とするものは、血液の保存条件さえ適切に行われていれば検査の品質が保証されます。

最近では、こちらも積極的に利用されています。

結核の治療と感染対策

結核の治療は、薬物治療となります。

感染対策ですが、空気感染ですので、へパフィルタによる空気のろ過が可能な陰圧室に隔離となります。

病室からの外出は制限され、患者は病室から外へ出る必要性がある場合には、サージカルマスクを着用します。

転院の場合は、公共交通機関の利用は、感染拡大となるため禁忌です。

治療の継続によって感染性は急速に低下してきます。

臨床症状が改善し、3日連続した抗酸菌塗抹検査を実施し、3日間ともに陰性化した場合に、隔離解除が医師の判断で可能となります。

しかし、結核菌に耐性を持つものも見られますので、隔離解除にあたっては慎重な判断が必要です。

尚、患者のケアの際には、N95マスクの着用が必須ですが、標準予防策としての手指衛生は、通常の流水と石けんによる手洗い、アルコールをベースとした消毒剤で対応が可能です。

結核菌は、熱や日光には比較的弱いですので、衣類は通常の洗濯で構いません。

ただし、喀痰などによる汚染のあるリネン類は、感染性リネンとして扱って下さい。

医療従事者の結核菌感染事例もニュースなどでよく耳にします。

正しい知識と感染対策で、高齢者の多い介護施設での活用に役立ててください。

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