在宅介護

地域包括センターの相談員が解説!在宅介護の問題と解決方法


地域包括センターの相談員

介護現場の問題は一口に語れることではありません。

それぞれの家庭では様々な事情を抱えており、介護をする方、される方、環境もまた複雑化しているのが現状です。

その中で具体的にどんな問題が起きているかをお伝えします。

私は地域包括センターという地域密着の機関で高齢者相談員をしています。

毎日、担当の地域の高齢者宅を訪問し、生活の困難点や問題点をお聞きし、必要なサービスや解決機関に繋げています。

介護の代表的な問題点

最近は核家族化が進み、少し前までは何世代もの同居をしていたような大きな家で、現在は高齢者夫婦のみ、あるいは独居の高齢者だけが住んでいるという現状があります。

その中で、いわゆる高齢者夫婦での老老介護や、子どもひとりで親の介護をするなど、介護負担の多い現場は必然的に増加しています。

ひとりがひとりを介護。

あるいはひとりが複数の介護をしているというのは非常に追い詰められる現場となります。

介護者は孤独感を持ち、別居の家族に相談しても解決策は見当たらず虚しくなることが多いと言います。

他人に相談するのは、自分の家庭の恥をさらすようで憚られ、隠してしまう人も多いのです。

昔はこんな時、隣近所がおせっかいに手を出したり、地域の世話人が来てあれこれ口や手を出したりしたのですが、今は地域の繋がりは薄く、都会に行けば地域の繋がりなど風前の灯と言えるでしょう。

介護者はその中で孤独感を強め、自分ひとりの問題として抱え込んでしまいます。

介護者が精神的にとことん追い詰められてしまったらどうなるか。

悲しい現実としては、虐待や介護放置という方向に向かってしまうのです。

自己責任というのは嘘

昨今、自己責任論という言葉が良く出てきます。

でも自己責任とは、自分で起こした問題を、責任持って自分で解決するために限りなく努力をすることです。

介護の問題は個人が起こした問題ではありません。

どんな人間にも生きていれば、介護する、されるということは起こり得ることなのです。

ですから、介護は自分ひとりの問題でも、家庭だけの問題でもないのです。

どこの問題なのか

介護は社会全体が担う問題です。

決してひとりで悩むことでも抱え込むことでもありません。

声をあげてください。

誰でもいいですから恥ずかしがらずに、隠そうとせずに、親しい友人、知人、近所の人に、自分の現状を訴えてください。

もし勇気が持てるなら行政に相談してください。

お住まいの地域には、役所や病院、介護施設に併設された「地域包括支援センター」が必ずあります。

ここでは地域に住む高齢者の悩みや困りごとを気軽に相談していただけます。

どんなことでもいいのです。実際、減塩弁当を取りたいとか、運動や体操教室に行きたいとか、配偶者が物忘れがひどくなってきて相談にのってほしいとか、毎日のように色々な相談が寄せられています。

ですから、家族に言っても解決しないと思っているのなら、一歩踏み出して悩みを外に話してみてください。

どうしたら解決に向かうのか

はっきり言って、簡単には解決しません。

ただ、放置すればするほど解決からは遠ざかります。

行政では、介護の度合いに応じて必要なサービスを一緒に考えることが出来ます。

もちろん望まないサービスを利用する必要はありません。相談したからと言って必ず利用しなければならないということもないのです。

この先必要かもしれないという知識をつけるだけでも十分かもしれません。

相談は何度でも出来ますから、もし来所出来ない理由がある場合、訪問してお話を聞いたり、家庭環境を見させてもらったりすることも出来ます。

ほかの家族にも話してほしいということなら、親類が集まる中で、問題点や必要と思われる介護サービスの説明をすることも出来ます。

地域や年齢によっては、介護を他人に委ねるなんて家族として失格、という考えを持っている人もいるでしょう。

でもそういう方々にも現状と介護の厳しさを、第三者が話すことで理解していただけることはたくさんあるはずなのです。

相談員として思うこと

私は毎日、高齢者宅の実態調査という家庭訪問をしていますが、元気いっぱい悩みも無いという高齢者は殆どいません。

身体のどこかが痛くなり、思ったように動けなくなり、物忘れも多くなり、疲れもとれにくくなっていきます。

でもそれに上手に付き合い、いつまでも地域で自分の家で、一日も長く生活したいと思い、前向きに生きているかたは心から尊敬します。

もちろん人には限界がありますから、介護が必要かもと感じたら、相談だけでもしてみてください。

そして、深刻な介護を孤独に頑張っている方にも出会います。

そんな時、しばらくお話をすると、みなさんほっとしたとおっしゃいます。自分ひとりで頑張ってきたけれど、もう限界だった、これで気持ちが楽になりました、と涙するかたもおられます。

そのくらい、介護というのは生活にのしかかってくる出来事なのです。

最後に

介護の問題点や、つらい現状ばかり書きましたが、介護は決して絶望ではありません。

今は適切な治療を受け、適切なリハビリを受けることによって、改善出来る点がとても増えてきました。

昔は医療か、動けなくなったら介護施設、この大きな選択しかなかったのですが、今は在宅生活を維持するための様々な取り組みが増えています。

生活援助や身体介護をするヘルパー、高齢者独居で買い物に出られない方のためのお弁当配食サービス、地域の体操や運動教室、リハビリに特化したデイサービス、などなど。

寝たきりにならないために、様々なサービスを展開、提供しているのです。

一度は希薄になった地域生活の繋がりを、再度密着させたいと、各地域が勉強会や研修会を繰り返して取り組んでいます。

生活や介護に悩んだら、少し周囲を見渡してみてください。

必ず手を差しのべてくれる人がいるはずです。

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