認知症ケア

認知症利用者の帰宅願望の事例と対策!行動には理由がある


帰宅願望

施設入所の(デイサービスなどでもありますが)認知症利用者の方でよくある訴えの一つが「家に帰りたい」というものです。

介護の仕事をしている方なら誰でも出くわした、そしてそれによって悩まされたことのあるのではないでしょうか?

私が経験してきた中でも以下のようなことがありました。

認知症利用者の帰宅願望

事例1:男性利用者のAさん

車イスを使用している方のですが、急に立ち上がって「うちに行く!」と大きな声を出します。

どうしたのかと聞くと、「今日は寄り合いがある!」と言われます。

どうやって帰るのかと聞くと、「歩いて帰る!」と言われ、歩けないんじゃないですか話すと「そこのバス停からバスに乗っていく」と言われます。

事例2:女性利用者のBさん

2階に居室があり、4階にご主人(Cさん)がいます。

「今から4階に行って、Cさんに私の部屋を使ってもらうように話してくるね。」と言い出します。

Bさんはどうするのですかと聞くと、「私はすぐ近くにうちがあるからそこに帰るよ」と言われます。

うちのカギを持っていますか聞くと、「娘に電話をかける」と事務所の方へ歩いて行ってしましました。

帰宅願望の理由

訴え方はそれぞれ違いますが、みなさんもこのような時にどう対応したらいいのか悩んだことがあるのではないでしょうか?

そこで今回は帰宅願望の対応の仕方を紹介します。

まずその前に帰宅願望が起こる理由ですが、次のようなことが考えられます。

まず第一に認知症の中核症状である見当識障害や記憶障害。

自分がいる場所や理由がわからずに不安になってストレスを感じます。

自分がいる場所がわからなかったら不安になって家に帰ろうと思うことは自然なことですよね。

そういう時にやってはいけないことは、訴えを無視したり否定したりすることです。

家に帰りたい → 訴えが聞こえなかったふりをして仕事を続ける
→ 家には帰れません、と話す

このようなことをしたら利用者はより不安に感じますし、言われたことが理解できない方でも否定されたという感情は残ってしまいます。

このような事が続くと利用者の方の認知症状がより進んでいてしまうので絶対にしないでください。

帰宅願望

対応策その1

対応の一つとして大切なのは利用者の訴えは否定しないことです。

次のような対応はどうでしょうか?

例1

家に帰りたい → どうして帰りたいのですか? → 子供が帰ってくるからご飯を作らないといけない(子供がまだ小さいと思い込んでしまっている) → 今日は何を作るのですか? → ご飯とみそ汁と煮物を作ろうと思っている → 何の煮物ですか? → 畑でとれた大根を使おうかと思って → そうなんですね。どうやって煮ると上手に作れますか? → はじめに皮をむいて、その後にこれくらいに切って・・・

例2

家に帰りたい → 家はどこですか? → A県B市だよ → そうなんですね、私も行ったことあります。 → そうなの?〇〇小学校って知ってる? → 私の出身校ですよ → そうなの。私もあの学校で、子供たちもそうなのよ・・・

以上のように質問をしていくように話をしていったり、別の話題にすり替えることで、本人の言った「家に帰りたい」という訴えは否定していませんし、話が変わっていくことで「家に帰りたい」という訴えも忘れてしまう可能性があります。

このように話を変えていくというのは認知症の方への対応として覚えておくと役に立つでしょう。

しかし、この方法だと嘘の話をしないといけないこともありますし、本人の「家に帰りたい」という訴えがまた出てきてしまうかもしれません。

むしろ出てくることが多く、同じことを毎日繰り返すことになるかもしれません。

対応策その2

ここで話を少し前に戻しますが、なぜ利用者は「家に帰りたい」と思うのでしょうか?

それは今いる場所が自分の居る場所ではないと思っているからです。

では、なぜそのように思っているのでしょうか?

その理由は入居したときにあります。

認知症になって施設利用をしなくてはいけなくなった利用者さん。

息子さんや娘さんに連れられて、「今日からここに住んでね。では職員の皆さんよろしくお願いします。」といったことがよくあるのではないでしょうか?

認知症になってしまい記憶障害が出てきた方が急にこのようなことになったらどうでしょうか?

そうでない方でも不安になると思いますが、認知症の方ならその不安がより大きいはずです。

こんな時に次のような対応をしていたらどうでしょうか?

1日目

今日はここでお昼ご飯をたべましょう。と、お昼ご飯だけを食べて家に戻る。

2日目

今日もここでお昼ご飯をたべましょう。

そのあと周りの方と少しおしゃべりでもでもしていきましょうか?

3日目

今日もここでお昼ご飯をたべましょう。そのあと周りの方と少しおしゃべりでもでもしていきましょうか?

ついでにおやつも食べていきますか?

4日目

今日もここでお昼ご飯をたべましょう。そのあと周りの方と少しおしゃべりでもでもしていきましょうか?

ついでにおやつも食べていきますか?話がはずんでいるので夕食も食べますか?

5日目

今日もここでお昼ご飯をたべましょう。そのあと周りの方と少しおしゃべりでもでもしていきましょうか?

ついでにおやつも食べていきますか?話がはずんでいるので夕食も食べますか?

私はちょっと用事があるからお父さん(利用者さん)は泊めてもらってもいいですか?

このような形で何日もかけて施設に慣れていってもらえば、施設が「いきなり入れられた知らない場所」から「ご飯食べに来たりした知っている場所」に変わりませんか?

施設に泊まる日数を次第に伸ばしていけば、施設にいる方が自然なことになるのではないでしょうか?

以上のようになぜ「家に帰りたい」という訴えが出てきてしまうのかをよくよく考えてみれば、入所時の方法から変わってきます。

利用者の訴えには必ず理由があります。

それがなぜかを考えて行動してみてください。

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