認知症ケア

認知症ケアで帰宅願望を無くさせる方法は?介護職員の実践例


認知症の理解

認知症は、誰もがなりうる可能性があります。

家族や身近な人が認知症になることなどを含め、介護施設で働く人に限らず多くの人にとって身近なものになっています。

認知症の発症を遅らせ(予防)、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせるように、認知症の人や家族の想いを重視しながら対応しなければなりません。

予防とは、認知症にならない。という意味を持ってしまいがちですが、認知症になるのを遅らせる。認知症になっても進行を穏やかにする。という意味になります。

帰宅願望

軽度認知障害(MCI)とは

1.認知障害の訴えが、本人または家族からあります。

2.日常生活の動作は自立しています。

3.全般的な認知機能は特に問題はありません。

4.説明できない記憶障害があります。

5.認知症ではありません。

軽度認知障害の方への対応としては、本人と家族の「近い将来、重度の認知症になってしまうのではないか。」と、不安を取り除くことが大切になります。

また、認知症ではありません。と上記にもありましたが、「認知症でないのであれば、病院にかかる必要がない。」「認知症は、肺炎等と違い、病気でない。」という誤解を招いてしまう可能性があります。

その為、自分の周りに軽度認知症と思われる方がおられるのであれば、しっかりと知識を与えて、今後の様子を見ることを説明することが重要になります。

認知症の種類

アルツハイマー型認知症

初期症状は、物忘れがあります。

特徴的な症状は、認知機能障害(物忘れ等)。物取られ妄想。徘徊。とりつくろい。などがあります。

経過としては、認知障害からはじまり、広範な障害へ徐々に進行します。

レビー小体型認知症

初期症状は、幻視、妄想、うつ状態、パーキンソンの症状があります。

特徴的な症状は、認知機能障害(注意力、視覚等)、認知の変動。幻視・妄想。パーキンソン症状、睡眠時の異常言動、自立神経症状などがあります。

経過は、調子が良いときと悪いときを繰り返しながら進行します。

時に急に進行する場合があります。

血管性認知症

初期症状は、物忘れがあります。

特徴的な症状は、認知機能障害(まだら認知症)、手足のしびれ・麻痺、感情のコントロールがうまくできない。などがあります。

経過は、原因となる疾患によって変わるが、比較的、急に発症し、段階的に進行します。

前頭側頭型認知症

初期症状は、身だしなみに無頓着になります。

同じ行動や言葉を繰り返します。

特徴的な症状は、比較的に多いのが、スーパーなどよく行くお店で、商品を持って帰ってしまう。

仕事や趣味、家族などに興味を示さなくなる。などがあります。

経過は、進行はゆっくりです。

この4つの認知症については、介護業界で働いているのであれば、最低限覚えておきたい知識となります。

認知症毛実践例

認知症の特徴

認知症の方の特徴としては、過去の記憶が記憶障害によって失われていきます。

未来についても、進行具合、遂行障害によって失われていきます。

・記憶が少しずつでも失われる、今行ったことを忘れてしまう。基本的に強い不安と自信の喪失の中にいます。

・症状の現れが人によって変わります。より身近な介護者に対して認知症の症状が強くでます。外来受診の時や、外部の方と関わる際には、一番良い状態をみせてくれます。

・正常な部分と認知症として理解すべき部分が混在しています。初期から末期まで通してみられる。

・感情が保たれているという認識は必要です。

・説得や否定は、こだわりを深めるのみです。本人が安心して過ごして頂けるような配慮が大切になります。

・一見異常にみえる行動や症状も、基本的には理解しているように接することが大切です。

認知症になったら実感することについては、

・信頼されていた仕事、大切な役割から外されてしまう。

・周囲の人が急速に離れていく孤独感がある。

・できないことが増え、将来がみえない不安がある。

とても自分であれば、耐え難いことだと思います。

そのため、手を握る、さしのべる。

自分のために考えてくれる。

自分の変化を受け入れてくれ、見守ってくれることを、認知症の方は求めていると思われます。

認知症高齢者の方は、不安が抑えられません。

今いる場所、そこにきた意味の記憶がなくなってしまう。今どこにいるのか分からなくなってしまう。この場の理解がわからない。相手の気持ちがわからない。

もし、仮に自分が一人で急に知らない場所に連れていかれ、一人で過ごすように言われたら不安になると思います。

認知症の方は、常にこの不安な状態が続いています。

慣れ親しんだ人や物には安心感を覚えます。

・慣れ親しんだ家族。

・慣れ親しんだ場所。

・慣れ親しんだ愛用品。

認知症ケアの実践

コミュニケーション

今回は、帰宅願望について実際に行った認知症のケアをお伝えします。

帰宅願望とは簡単にいうと、施設等に入所・入居しているのにも関わらず、「家に帰りたい。」という発言や徘徊される状態です。

帰宅願望に対し、「家には帰れませんよ。」や「今日は泊まりです。」など様々な声かけで対応するも、落ち着くこともなく、逆に興奮されてしまったり、徘徊が激しくなってしまうことが何回もありました。

そこで、対応方法を変えました。

「家に帰る。」という発言がある際には、不安そうな表情をしているか、少し興奮されている状態であるため、とにかく笑顔で椅子に座り、コーヒーなどの飲み物を出し、傾聴することにしました。

まさにこれが、効果てき面でした。

笑顔で一緒に飲み物を飲むことで、落ち着いて話をして下さり、その時間は帰宅願望が無くなりました。

その際に、昔の話をして下さるようになってきたため、過去の環境や今までの生活してきた習慣を把握することができ、今後の対応に繋げることが出来ました。

認知症の方は、基本的には出来事を忘れてしまいます。

良い関り、良いケアを行うことで、見覚えのある顔、知っている人と認識されるようになります。

そして、その方にとって住みやすい環境になり帰宅願望が無くなっていくと考えられます。

認知症毛実践例

環境を整える

次に実践・ケアしたことは、お部屋まわりの環境を整えることにしました。

施設での生活に変わりはありませんか、ここが私の家と思って頂けるような工夫を行っていきました。

まずは、居室の前に名前の札をかけることにしました。

帰宅願望があった際には、「〇〇さん、ここに○○さんの名前がありますよ。ここがお部屋です。」と伝えるようにしました。

すると、「ほんと。名前があるね。ここが私の部屋かな。」と言われ、ご自分のお部屋で過ごされる機会が増えていきました。

しかし、興奮されている時には、「ここは、私の部屋でない。」と言われることがあり、徘徊を続けてしまわれる事が多々ありました。

次は、家族様にも協力を仰ぐことにしました。

家族様に、今まで使用していた衣類を入れるタンスや枕、布団類、過去の写真を持ってきて頂きました。

少しでも、居室内の空間を自宅で過ごしてきた環境に近いものになるようにです。

過去に使用していた布団や、タンス、写真をみて、「ここは、私の部屋。」と言われるようになり、笑顔がみえるようになりました。

その後も、同じ対応を続けることで、「ここが私の部屋。」と認識をし、徘徊をされることがなくなり、落ち着いた生活が送れるようになりました。

最後に

認知症の方は、環境が変わることでとても不安になられることがあります。

そのため、その不安をどれだけ取り除くことができるかで、認知症の方が落ち着いた安心した生活ができるか変わってきます。

まずは、どんな時でも笑顔でコミュニケーションを図ります。

そして、今回の帰宅願望も問題行動(BPSD)と捉えず、時間をかけながら対応していくことが大切になります。

認知症の方は、「出来事等を忘れてしまう。」と思わず、積極的にケアを行うことで、顔見知りになることが出来ます。

見たことがある人、優しい人と認識をして頂く事ができることで、認知症の方にとっても不安の軽減が図れます。

少しでも、生活環境を整えることで、落ち着いた生活を送って頂けるようになると、介助者自身の介護の負担の軽減も図れます。

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