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目次
フレイルとは
最近よく聞く「フレイル」は、食べないと起こりやすくなるし進行してしまいます。
フレイルは加齢のために身体の機能が低下して健康にも影響を及ぼすことを言います。
低栄養になると、フレイルも進行しやすいです。
フレイルの兆候はないか、まずはチェックしてみましょう。
□体重が減った:6か月で2~3㎏以上の体重減少。
□疲労感:ここ2週間、特に思い当たる理由はないが疲れる
□筋力の低下:握力でチェックします。男性20㎏未満、女性18㎏未満
□歩行速度が遅い:以前よりも歩くのが遅くなった。1秒当たり1m未満
□身体活動の低下:運動や体操をしていない、定期的なスポーツ活動をしていない
YESが3つ以上はフレイルの可能性が考えられます。
YESが1~2個の場合は、フレイルの前兆化もしれません。
あくまでも目安なので、YESが1つでもある人は医療機関で診察を受けることをおすすめします。
食が細くなる原因
では、高齢者はどうして食が細くなることが多いのでしょうか?
◆ドライマウスなど、口腔機能の低下
高齢になると唾液量が減ってドライマウスになります。
そのため、「トマトの皮や海苔が上あごやほっぺたの内側に貼り付くの」「芋やカボチャサラダはモゴモゴして窒息しそうになる」「パンは紅茶に浸して食べないと食べにくい」と言ったことが起こりやすくなります。
おやつのビスケットも、モゴモゴして飲み物を飲みながら食べないと、食べにくいのです。
歯の本数が減ったなども、食べにくさに繋がるので食欲も落ちてしまいます。
◆筋力の低下
筋力が低下すると、少し動くだけでも疲れてしまいます。
そのため活動量が減って、お腹が空かないという事にも繋がって行きます。
また、あごが疲れる、食事のために座っているのがしんどいなどもあって、食事量が少なくなっているケースも多いです。
◆視覚機能の低下
白内障は70歳代で84~97%、80歳以上の高齢者ではほぼ100%の発症率だと言われています。
白内障になると、ぼやけて見えたりかすんで見えたりします。
せっかく美味しそうな焼き色に焼けていても、それが実感できずに、視覚で味わえないのです。
◆胃腸の運動が低下
高齢になると腸の蠕動運動が鈍くなります。
そのため胃の中にいつまでも食べたものが溜まりやすく、これが食欲低下をもたらします。
便秘になる高齢者が多いですが、便秘でお腹が張っていたのでは、食欲もわかないでしょう。
胃の弾力性も加齢とともに衰えてくるので、高齢になると少しずつしか食べられません。
食が細い高齢者への対処法
◆ドライマウスへの対応
食事前に「パタカラ運動」を行いましょう。
パパパパ・タタタタ・カカカカ・ララララと言って舌の準備運動を行うのです。
このようにすると唾液の分泌を促す効果や誤嚥予防の効果が期待できます。
酢の物やレモン味のものなど、唾液の分泌を促してくれるものから食べるのもよい方法です。
また水にレモン汁を少し入れておき、それで喉を潤してから食べるのも一方法でしょう。
ドライマウスや高齢になると、味を感じにくくなります。
梅干しや七味唐辛子や酢やレモンやスダチなどを上手に使って味覚や臭覚を刺激しましょう。
パンがモゴモゴして食べにくい場合は、パンを紅茶に浸す、フレンチトーストにするなども対処法の1つだと思います。
◆歯の本数が減った、あごが疲れる場合の対応
入れ歯を作る、やわらかい食事形態にするなどが対応方法になるでしょう。小さく切る、ゼリーや寒天で固めるなどが一例です。
◆視覚に問題がある場合
病院や介護施設のお茶碗や食器は白が多いので、白いお茶碗に白いご飯では、よけいに見えにくくて食欲が進まないのかもしれません。
赤や茶色いお茶碗にするなどでコントラストを付けると見えやすくなりますが、病院や介護施設ではこのような対応は少々難しいかもしれませんね。
盛り付けや彩りも料理の要素の1つなので、たとえぼんやりしか見えなくても彩り良く盛り付けることが大切です。
茶色い肉の横には、緑の野菜や赤や黄色の野菜を添えましょう。
ぼんやりとしか見えなくても、色のコントラストが分かる人もおられます。
のど越しのよい料理
高齢者になると、のど越しの良い料理を好む方が増えます。
例えば、茶わん蒸しやゼリー寄せや煮こごりゼリー、滝川豆腐(とうふそうめん)、ポタージュ風のスープなどです。
また、飲み込む力が衰えて来た場合は、トロミをつけると食べやすくなります。
夏はのど越しのよい「そうめん」ばかりになってしまう、という人も多いようですが、ネギとショウガだけではなく少し一工夫しましょう。
卵や蒸したささみをほぐして加える、カニかまぼこや細く切ったパプリカを入れたりブロッコリーのスプラウトやトマトやキュウリ、ワカメなどを加えると、たんぱく質やビタミンやミネラルも摂れます。
細く切ったパプリカも錦糸卵も蒸してほぐしたささみも冷凍可能です。
サラダチキンなども上手に利用すると良いでしょう。
1日3回ではなく回数を増やす
1度に食べられる量が減ってくるので、1日3回に拘らずに回数を増やすのも一方法です。
おやつを駄菓子ではなく、軽食にするのも良いでしょう。
一口サイズのサンドイッチと牛乳や野菜ジュース、プリンなども栄養の補給になります。
プリンは卵や牛乳を使っているので、1個当たり鶏のささみ2分の1本分くらいのたんぱく質が摂れます。
夏のおやつや飲み物
最近の高齢者はスイーツやアイスクリームも好きな人も多いので、「モゴモゴして窒息しそうになる」と苦手なカボチャやさつま芋も、潰してフリーザーで凍らせて溶けかけた頃に食べると、即席アイスという感じで食べやすくなるでしょう。
私は夏のデザートに、即席バナナアイスを時々作ります。
バナナの皮をむいてアイスの棒を刺してラップに包んで、フリーザーで凍らせます。
これをフリーザーから取り出して少し溶けかけた時にかじるのが好きです。
高齢者の場合は、一口大に切ってタッパーなどに入れて凍らせて、ピック(爪楊枝)で刺して食べると良いでしょう。
飲みものも、麦茶ばかりではなく栄養補給になるものがあると助かります。
少し目先が変わった飲み物を紹介しましょう。
◆黒糖きな粉ミルク
たんぱく質とミネラルの補給になります。
牛乳200mLにきな粉大さじ1~2杯と黒砂糖小さじ1を入れて良く混ぜます。
黒砂糖がなければ普通のお砂糖でもシロップなどでもOKです。
甘さはお好みで調整してください。
牛乳の代わりに豆乳でも美味しく作れます。
きな粉大さじ2、牛乳200mL、黒砂糖小さじ1でカルシウムが260㎎程摂れます。
これは成人の1日必要量の約3割です。
◆ごまミルク
上記のきな粉の代わりに練りごま小さじ1にします。
これもカルシムが280㎎程摂れるので、カルシウムとたんぱく質の補給になります。
これから夏場になると、余計に食欲が落ちてしまいがちですが、このような工夫がヒントになれば幸いです。
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