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目次
フレイルとは
「フレイル」という言葉を最近よく聞くようになりましたが、どのような意味なのでしょうか?
この用語は2014年に日本老年医学会がフレイルに関するステートメントを発してから、よく使われるようになった言葉です。
「frailty」から来ています。
フレイルとは、健康な状態(Robust)と要支援や要介護の状態(Disbility)の中間だと定義されています。
人は加齢に伴って、運動機能や認知機能が衰えてしまいます。これらの機能が低下すると、介護が必要になることが多いのです。
フレイル→要介護というルートを歩かないためには、フレイルの予防や対処を理解しておく必要があります。
フレイルのチェック
(日本版 CHS基準 より)
□体重が減った:ダイエットなどはしていないし病気を発症したわけでもないのに、6か月間で2~3㎏以上痩せた。
□握力が少ない:男性で26㎏未満、女性で18㎏未満。
□疲れる:この2週間ほどの間、特に心当たりはないのに疲れを感じる。
□歩くのが遅い:以前と比べると歩くのが遅くなって、1mを歩くのに1秒以上かかる。
□軽い運動やスポーツをしていない、定期的に運動やスポーツをしていない。
YESが3つ以上はフレイルの可能性が大です。
YESが1~2個の場合は、プレフレイル(フレイルの前段階)かもしれません。
対処法
★栄養
栄養が十分でないと体重が減ります。
体重が減ると筋肉量も減ってしまい、筋力の低下を招きます。
このように筋肉量が減って筋力が低下する状態を「サルコペニア」と言います。
「サルコペニア」も近年、良く聞かれるようになった言葉でしょう。
サルコペニアになると食事の量も減ってしまい、フレイルへと進んで行きやすいのです。
このような悪循環に陥らないためには、低栄養にならないことが重要です。
たんぱく質
フレイルの予防には、たんぱく質を十分に取ることが大切です。
筋肉の材料となるたんぱく質は、体重1㎏あたり1g以上摂るのが理想的です。
体重が50㎏の人なら50gです。
卵1個のたんぱく質量が約7g、魚1切れが10~20g程度、鶏ささみ2本がおよそ20g、豆腐3分の1丁(100g)が5~6g程度、牛乳コップ1杯(200mL)で約6gです。ご飯茶碗3杯(450g)が約11gだし、野菜やその他の食品にもたんぱく質は含まれているので、毎食バランスよく食べていれば、必要なたんぱく質量をクリアできるでしょう。
ビタミンD
「骨を硬く丈夫にするためにはカルシウム!」と、積極的にカルシウムを摂ることを意識している人は多いようですが、カルシウムを骨まで運んでくれるビタミンDも重要です。
せっかくしっかりとカルシウムを摂っても、それが骨まで届かなければ意味がありません。
ビタミンDは、エリンギやマイタケやシメジやキクラゲ等のきのこ類や魚などに多く含まれています。
太陽の光を浴びるとビタミンDがアップするので、私は買ってきたエリンギやシメジなどは料理をする前に1時間ほどベランダに置いて、太陽の光を当ててから使っています。
太陽の光を浴びると、シイタケのビタミンD量は約10倍にもなるのです。
太陽の力は凄いですね。
その他マグネシウムも、カルシウムを骨にとどめておく作用があるし、ビタミンKは骨へのカルシウムの取り込みを助けています。
このように、栄養はチームではたらいているので、いろいろな食品を満遍なくバランスよく食べることが重要です。
口腔内の治療
入れ歯が合わない、歯が痛いなどで口腔内の状態が良くないと、しっかりと噛めなくなり、食事量が減ってしまう一因にもなります。
そしてそれがフレイルを招くので、口腔内もきちんと治療しておきましょう。
マウスケアなども大切です。
甘食ではなく間食
高齢者は1回に食べられる量が減ってくる傾向があるので、欠食することなく1日3食食べることが重要です。
3食で足りない栄養は間食で補うのも一方法です。
「間食」「おやつ」と聞くと甘いものを考えがちですが、ちょっと一工夫して足りない栄養を補える間食を提供したいものです。
私の母は、3時のおやつの時にコーヒーとクッキーを食べるという、ちょっとハイカラなおばあちゃんでした。
母は牛乳は嫌いで飲まないのですが、コーヒーを牛乳たっぷりのカフェオレにしてみたところ、カフェオレなら「美味しい」と言って飲んでくれました。
また、きな粉に砂糖を少し混ぜて豆乳で溶かした「きな粉ソイミルク」も好きでした。
ヨーグルトは好きではなかったのですが、ヨーグルトジュースは好んで飲んでいたし、チーズは嫌いですがレアチーズケーキは食べていました。
「ほとんど同じなのに…」と思いますが、おもしろいですね。
ステック状の魚肉ウイナーなども、手に持たせておくといつの間にか食べていました。
食欲がないと言っている時は、手に持って食べられる物が食べやすかったように思います。
食事量が極端に減った時は、医師の処方で「エンシェア」などを出してもらうことも可能かと思いますが、出来高払いではなくDPC(包括医療費支払い制度)の所では、処方しにくいようです。
そこで私は、「メイバランス」をスーパーで購入して飲ませていました。
今はこのような介護に便利な食品も、スーパーやドラッグストアで簡単に入手できるので、助かります。
歩けるうちに散歩
食品のビタミンDは太陽の光でアップすると前述しましたが、人も太陽の光を浴びることで、ビタミンDが皮膚で作られるのです。
真夏に屋外を散歩するのは熱中症のリスクもありますが、秋になって風が心地よくなったら、3密にならない場所を選んで、外に出て散歩などを楽しみたいですね。
筋肉は、使わないと減っていきます。
筋肉量を低下させないためにも、筋力を低下させないためにも、適度な運動は重要です。
適度な運動が食欲の増進にもつながるし、骨粗しょう症やフレイルの予防にもなります。
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