介護福祉士

「便利屋」「よろず屋」は必要ない! 施設で求められる2つの専門性

介護業界の人材不足

介護・福祉業界において長年に亘っての慢性的な問題の1つに「人材不足」があることは、あなたも周知のことでしょう。

「きつい・汚い・臭い」に加えて「給料が安くて結婚できない」などもあり、仮に転職して従事することにしたとしても長続きしない部分は、こういったことが要因ではないかと考えられますよね。

そんな中、現状の施設において極めて重宝がられるのは「便利屋」「よろず屋」と呼ばれる方々です。

派遣社員さんのことではありませんよ。

介護現場にいて、職種は違っていても「付帯業務の一環」と考えられ、本来の仕事以外の仕事をする人のことです。

例えていうなら「入居者様のリアルな状況を知る意味合いから、ケアマネージャーが現場の介護職員と同じように食事や排せつなどの介助を行う」「医療分野の一員だからという理由から、管理栄養士が入居者様の内服薬の振り分けを行う」「ヘルパーの資格を持っている事務職員が、実際に介護現場へ出向し、利用者様の介護にあたる」などです。

こういった方々のことを「便利屋」「よろず屋」と呼ぶ訳ですけど、ある意味「越権行為」にもなっていて、専門職としてのプライドや自尊心を傷つけられながらも仕事を続けている方々が多くいるのが現状です。

このことが常態化しつつある中で、とある施設の施設長と話をする機会があり、あれこれ話をする中で、施設の今後のことで発せられた施設長の言葉に、私は驚きを感じました。

施設長の言葉の中から「今、施設で求められている専門性」についてを、あなたと一緒に見ていきたいと考えます。
介護施設の人手不足

専門職は、個々の専門分野

まず1つ目は「専門職は、個々の専門分野でフル稼働すること」です。

施設長の話の内容については、こちらになります。

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「実際今はこうやって越権行為にもなることをしてもらっているけれど、施設だってバカじゃない。人材確保にも全力で取り組んではいるんだけど、なかなか上手くいかない…。私が思うに、今の介護職員の多くは効率的に物事を処理してしまうような考え方をしている。人と人との関係性を効率化すれば、必ず破綻への道を進んでしまう。」

「本来の施設の在り方は【スペシャルを無くして、専門職が個々の専門分野においてフル稼働すること】が基本なんだ。あれこれマルチにできる人は、ある意味潰しが利くので有難いんだけど、実際には潰ししか利かない部分が多くて、本来しなければいけない仕事が滞ってしまう。」

「こんなことを続けていては、職場内においてフラストレーションが溜まって現場の空気も澱む。入居者様、特に環境に影響を受けやすい認知症高齢者の方は不穏になって混乱してしまうし、対外的なことをいえば家族様にも迷惑をかけてしまう。一刻も早くこの状態から脱却するために、私も必死になって取り組んでいるんだよ。」

つまりは「本音を言えば施設自体、便利屋やよろず屋を望んではいない」ということになります。

それぞれがスキルアップしていきながら獲得した資格や培ってきた経験をフルに活かしてこそ、介護を必要とする高齢者の思いや心のよりどころになり、明るい笑顔や会話が溢れた活気のある日々が続けられるようになるのではないでしょうか。

介護施設の専門性

自分の考えより入居者様と

2つ目は「自分の考えなどを脇において、入居者様と向き合えるようになること」です。

施設長の話の内容については、こちらになります。

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「福祉=ボランティアって考えている人が多いだろう?でもそれって勘違いの始まりだと思うんだ。何でかっていうと『その段階で既に自己中』だから。何かを『してあげる』『してあげている』って考え方は自己中以外の何者でもない。何かのCMでも言ってるだろう?『そこに愛は、あるんか?』って。」

「実際に現場で介護している職員は、時間に追われて入居者様と向き合う余裕などなくしてしまっている。お互いに余裕のない中での介護で何が起きるか。事故だろう?入居者様に直接的な影響が出るし、職員の士気も下がるし、施設にとっても事故が多いのは社会的にも大きな痛手になってしまう。」

「業務改善について、施設が及び腰になることなんかあまりない。だって入居者様の暮らしが明るく楽しく、安全で安心が多いものになるのなら、拒否する理由なんかないだろう?さっき話したことを踏まえていうと『効率化するなら、関係性ではなくて業務』ってこと。」

「決して自分たちが楽をするためって考え方ではなくて、入居者様と向き合える時間を作るという意味合いでのことだったら何も問題ない。そしてその時には【自分の考えなどは脇において、入居者様と向き合うこと】が大切になる。脇におくのは職員であることや有資格者であることなども含めてね。」

「目の前にいる高齢者の思いや行動について、素の自分として見た時に生じてくる疑問などを大切にして仲間と一緒に考えていくこと。これをすべてのスタッフが日常でできるようになってきたら、それこそトップレベルの施設になるだろうって思うんだよ。」

つまりは「施設は形式的に介護することのみを望んではいない」ことになります。

それぞれに「支え合い、労り合うこと」が基本となる人間社会の中で、このことは何においても重要なことなのではないでしょうか。

人は「平等」ではなく「公平」を求める時代です。「共生・共成の社会」を目指しています。

「優位性」を求めるのではなく、「横並びの関係性」を保ちながら前へと進むこと。

このことを胸に抱きながら日々取り組んでいくことで、高齢者にとってもあなたにとっても笑顔が溢れ、明るく楽しく生活を続けていけると私は考えます。

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