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近年問題の「高齢化社会」
2020年統計の割合だと、約30パーセントが65歳以上だと分かりました。
以前は60歳代は「老人」といったイメージでしたが、現在は若々しい人が多いですね。
それでも、やはり介護が必要な方はいるのです。
多くの家庭では、身内の介護にあたられてる方がたくさんいらっしゃることでしょう。
そこで、今回はよく耳にする「認知症」について書かせていただくことにしました。
認知症の方は皆一人一人違った特性をもっていて、接するにあたりとても大変です。
それでは、そもそも認知症というのは、一体どんなものなのでしょうか?
「認知症」について
認知症とは、病気などによって脳の神経細胞が壊れることにより起きる状態や症状のことをさします。
認知症の事を病気だ捉える人もいますが、病気では無く症状と考えてください。
認知症は進行すると、社会生活や日常生活に影響をきたしてしまうものです。
「もの忘れ」と「認知症」との違い
年をとると、誰でも物覚えが悪くなったり、色々なことが思い出せなかったりすることが増えてくるでしょう。
こういった、脳の老化によって起こることをもの忘れといい、認知症とは違うものになってきます。
<もの忘れ>
原因···脳の老化
忘れ具合···体験したことの一部分を忘れる(ヒントがあれば思い出す)
症状の進行具合···あまり進行しない
判断力···低下しない
自覚···自分で自覚している
日常生活···支障はきたさない
<認知症>
原因···脳の神経細胞が壊れる
忘れ具合···体験したことをまるごと忘れる(ヒントがあっても思い出せない)
症状の進行具合···進行していく
判断力···低下する
自覚···自分では自覚がない
日常生活···支障をきたす
上記に挙げたような特徴の違いがあります。
認知症の種類
認知症は主に4つの種類があり、様々な症状や特性や原因が違ってきます。
これを「4大認知症」といいます。
これは認知症の約9割を、4つの種類に分けられています。
①アルツハイマー型認知症···広範囲で脳が萎縮することによって起きる。記憶障害、見当識障害、判断力の低下など見られる。
②前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症···前頭葉と側頭葉が萎縮することによって起きる。人格が変化したり、言葉の理解ができなくなる、幻視といった症状が見られる。
③レビー小体型認知症···海馬から後頭葉までの広い範囲で血流が悪くなり、機能が低下することによって起きる。幻視や睡眠障害などがあらわれる。
④脳血管性認知症···脳内の血管に異常をきたすことにより起こる。脳梗塞や脳出血など、障害の大きさが認知症の程度と関係してくる。
上記のような種類に分けられています。
大切な人、もしくは仕事などで介護してる相手などが認知症になってしまった場合、周りの人達は戸惑ってしまうことでしょう。
どう接したらいいのか、どう接したら以前のように笑顔だったり穏やかな様子で過ごしてもらうことができるのか。
4大認知症、それぞれの接し方
先程話した4大認知症の種類によっての接し方を書きます。
・アルツハイマー型認知症
普段いつも何かしら不安を抱えて過ごしている人が多いです。接し方を、本人が安心できるような接し方ができるのが望ましいです。
また、居室をトイレの近くに変えたり、本人が転んだりしないようバリアフリーなども取り入れたりして、環境の工夫も大切です。
なお、怒りっぽくなったり、感情的になったりすることも少なくありません。
本人のプライドを傷つけないよう、ゆっくりと話を聞いたりして安心感を持ってもらいましょう。
・前頭側頭型認知症
人格変化や社会的異常行動が見られる認知症です。
幻視がもし出てきたら、否定するのではなく肯定し、一緒に策を考えましょう。
肯定的に対応することで様々な訴えが少なくなります。
また、同じ行動を何度もすることが出てきたら決まった時間に決まったことをするよう促しましょう。
・レビー小体型認知症
初期症状に幻視が出てきたり、睡眠障害が多いです。
前頭側頭型認知症と同じく人格変化などが出る場合や、同じ行動を何度もすることがあります。
接し方は、前頭側頭型認知症の場合を参考にすればよいでしょう。
・脳血管性認知症
脳卒中などの再発の防止のために、服薬管理が必要になります。
脳の障害部位によって出来ることと出来ないことがあるので、出来ることをしてもらって、脳のトレーニングも取り入れると良いでしょう。
認知症は予防できるのか?
認知症になってしまうと大変ですが、そうなる前に予防ができるといいですよね!
生活習慣を見直すことで予防が期待できます。
①食習慣···"マインド食"というものがあり、これがアルツハイマー型認知症と高血圧症を防ぐ、食事習慣になります。
野菜や、ベリー類などの果物、肉より魚を多く食べるようにします。
②運動習慣···ジョギングなどの軽い有酸素運動でも効果は期待できます。
1週間に3日以上続けると良いです。
③人と接する···会話は脳の働きに有効で、特に家族以外の人との会話は脳が活性化し、認知症予防になります。
④知的行動習慣···趣味を持つことがとても有効で、それに取り組むことによって認知症予防に繋がります。
⑤睡眠習慣···十分な睡眠をとることでアミロイドβというアルツハイマー型認知症の原因のタンパク質の一種を軽減させ、スッキリと目覚めることができる日が続き、認知症予防に繋がります。
<最後に>
今回は認知症について詳しく書かせていただきました。
大事な人が例え認知症になったとしても、それと付き合いながら毎日穏やかに過ごして欲しいです。
周りの人のサポートもとても大切です。
家族だけじゃ限界な場合は、ヘルパーや福祉施設など、色々な制度を利用することも良いでしょう。
あなたの大切な人が、毎日笑顔でいられますように願います。